ホワイトハウスが401(k)規則審査を完了 仮想通貨投資の扉が開く

ホワイトハウスと401k資産、ビットコインを象徴するコインが並ぶイメージ

退職年金への代替資産導入に向けた制度整備が次の段階へ

ホワイトハウスが労働省の規則案審査を完了したことで、401(k)プランにおける仮想通貨を含む代替資産の導入に向けた手続きが前進した。

規則案は今後、公表とパブリックコメントを経て最終化に進む見通しだ。ホワイトハウスの情報規制局は、労働省が提案した規則案の審査を2026年3月24日(火曜日)に完了し「変更に合致する」と判断した。この規則は経済的に重要なものと位置付けられている。

対象となるのは、401(k)プランの受託者が仮想通貨を含むデジタル資産やプライベートエクイティ、不動産といった代替資産をどのように評価し、投資対象として扱うかを見直す内容である。審査完了により、規則案は次の段階へ進む。労働省は今後、規則を公表し、60日間のパブリックコメント期間を設ける。その後、意見を踏まえて修正を行い、最終規則の策定を進める予定だ。

今回の提案は、2025年8月7日に発令された大統領令に基づくもので、この命令は、確定拠出型退職年金制度における代替資産へのアクセス拡大を指示し、仮想通貨を含む投資機会の見直しを求めた。労働省に加え、財務省や証券取引委員会との連携も求められている。また、労働省は2025年5月、401(k)に仮想通貨を組み込む際に極めて慎重な対応を求めていた2022年のガイダンスを撤回しており、連邦政府の姿勢は大きく転換している。

巨大市場への接続と慎重な投資家心理

今回の規則案は、約12兆ドル(約1,924兆円)規模とされる401(k)資産を含む退職年金市場に対し、仮想通貨や代替資産を組み込む可能性を開くものだ。

これまで年金制度における仮想通貨の導入は、価格変動の大きさや流動性、保管体制の未整備などを理由に抑制されてきた。加えて、制度運営者にとっては受託者責任の問題が大きな障壁となっていた。従業員退職所得保障法のもとでは、受託者は参加者の利益を最優先に行動する義務を負う。パフォーマンスの低い商品や過剰な手数料は訴訟リスクにつながるため、変動性の高い資産の導入は慎重に扱われてきた。

今回の提案では、適切なデューデリジェンスと情報開示を前提とすれば、代替資産の導入が直ちに受託者義務違反とならない可能性が示されており、法的な不確実性の緩和が期待されている。

一方で投資家の姿勢は慎重だ。調査では、代替資産の導入に反対する回答が48%、賛成は34%にとどまった。さらに80%が401(k)資金を代替投資に振り向ける可能性は低いと回答している。多くの投資家がリスク理解の不足を懸念している。それでも、米国の退職年金市場は2025年時点で48兆1,000億ドル(約7,701.5兆円)に達しており、この巨大市場に仮想通貨が接続されれば、新たな資金流入の可能性が生まれる。

州レベルでも動きは進む。インディアナ州は、退職年金プランに仮想通貨投資オプションを含める法案を可決しており、制度面での整備は連邦と州の双方で広がりを見せている。最終規則の策定にはパブリックコメントを含む手続きが必要となり、実施までには時間を要する可能性がある。それでも今回の審査完了は、退職年金と仮想通貨の関係における重要な転換点となる。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム