PayPalが独自仮想通貨「PayPalコイン」の取り組み開始へ

PayPalが独自仮想通貨PayPal Coinを開発

大手決済サービス企業のPaypalが現在、独自ステーブルコイン「PayPal Coin(PayPalコイン)」の立ち上げを模索しているとブルームバーグが報じ、現在同社が独自のステーブルコインを開発中である事がわかった。

ブルームバーグによると、iPhoneアプリ開発者のスティーブ・モーザー(Steve Moser)氏が、米ドルで裏付けられる「PayPal Coin」というタイトルの隠されたコードと画像を最初に見つけたと報道。このPayPal Coinは、電子決済大手が世界に提示する時期プロジェクトになる可能性が高く、米ドルに裏打ちされたステーブルコインを計画しているという。市場の暴落で神経質になり、仮想通貨業界が瀕死の状態と考える関係者も多い中での独自仮想通貨の開発は、市場にも一筋の光となるとみられる。

PayPalによる同プロジェクトのロードマップなど、PayPal Coinの詳細な情報はないものの、PayPalの仮想通貨とデジタル通貨の上級副社長であるホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ(Jose Fernandez da Ponte)氏は次のように語っている。

私たちはステーブルコインを模索しています。私たちが前進しようとする場合、もちろん、関連する規制当局と緊密に協力します。


PayPal Coinが理にかなっている理由

ステーブルコインの開発は、PayPalに一定の利点をもたらすとみられる。

例えば…、より不安定で分散化された仮想通貨の周りに存在する規制圧力を回避し、ウォレットに保持する量が時間の経過とともに同じ値になるという安心感を顧客に提供し、当局によって承認された送金業者であるPayPalのビジネスモデルにも適している。

PayPal Coinは、2021年11月にPayPalアプリのコードがNEO仮想通貨との互換性の可能性に言及していることを明らかにしたソフトウェア開発者のモーザー氏によって2022年に突入してすぐに発見された。このNEOとは、中国で開発されたスマートコントラクトブロックチェーンであり、中国のイーサリアムと称されているものである。NEOはイーサリアムキラーの1つとして宣伝され、2017年から2018年のブームの間に人気を集め、その後人気は加工気味になり、CoinMarketCapの1月10日(月曜日)の時価総額ランキングにて、1NEO=2,700円台後半で推移しており、時価総額1,960億円で70位になっている。

PayPalのより大きな計画の時期ステップ

PayPalによるステーブルコイン開発というある種の賭けは、仮想通貨の世界に対する同社の次のステップと言える。

PayPalの創業者であるピーター・ティール(Peter Thiel)氏は、NEXTMONEYの特集記事「PayPal創業者、中国は米国に対する「金融兵器」でビットコインを使用と述べる」で報じたように、2021年にビットコインが中国の金融武器になる可能性があることを警告し、仮想通貨とデジタル資産市場の支配競争に取り残されないよう、米国内での研究開発を推進するよう助言している。

米ペイパル(PayPal)、暗号資産の売買サービス開始か」で報じているように、2020年にPayPalはビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)を購入する機能を発表。それ以来同社は仮想通貨関連サービスを拡大させ、仮想通貨販売を可能にし、他の国への同サービス提供に取り組みつづけている。

フェイスブックの「Libra(リブラ)」とは一体どのような仮想通貨なのか?」で報じているが、PayPalは現DiemであるLibra Associationの創設メンバーであった。これは、現MetaであるFacebook社が主導し、複数の大手企業が管理する仮想通貨を作成するイニシアチブで、同社はそのメンバーとして名乗りを上げていた。しかし、Libraプロジェクトは最終的に失敗。PayPalは、独自通貨の立ち上げを成功させるため、Facebookの過ちから多くを学んでいると言えるだろう。

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