ビットコイン(BTC)の急激な価格上昇は、「アルゴリズム取引」による影響との見解

ビットコイン(BTC)の急激な価格上昇は、「アルゴリズム取引」による影響との見解

2日、ビットコイン(BTC)の価格が短時間の間に20%余りの急騰を見せた。イーサリアム(ETH)やXRP(リップル)等の著名な仮想通貨も軒並み急騰を見せている。

いずれの仮想通貨についても、価格上昇材料として際立ったニュースがあったようには見えず、機関投資家によるアルゴリズム取引の影響によるものではないかとの見方が強まっている。

金融市場とアルゴリズム取引

金融市場でも、似たような事象はまれに発生している。

価格変動を引き起こす重要なニュースがないにも関わらず、突然価格が乱高下を見せることがあり、アルゴリズム取引による影響によるものと推測されることも多い。

アルゴリズム取引では、コンピュータープログラムによって自動的に売買注文が実行される。つまり、注文価格や数量などの判断をコンピュータープログラムに一存し、そのプログラムはとある一定のルールに従い構築されていることが一般的だ。

それらの根幹をなしている考え方は、テクニカル分析をもとにしたものや、市場のニュースなどに反応するものなど様々で、トレーダーが常に相場に注意を向けるという労力を必要としないことから近年人気が高まっている。

また、コンピューターの演算処理速度を活かした高頻度取引(HFT)も金融市場では存在感を高めている。

高頻度取引(HFT)とは、アルゴリズム取引の一種であり、1/1000秒以下の速度で売買タイミングを判断して、超高速取引を繰り返すというものだ。資本回転率を向上させることで、高い収益率を目指している。

しかし、高頻度取引(HFT)には、高性能サーバーや高速回線、ITや金融工学分野における高度な専門知識が必要とされており、個人投資家には実現が難しいという現状もある。

仮想通貨市場参加者の変化

仮想通貨市場でも、アルゴリズム取引を行うトレーダーの数が近年急増しているとの報告が見られ、仮想通貨市場におけるアルゴリズム取引の人気も高まっている様子が伺える。また、アルゴリズム取引を得意とするクオンツファンドの仮想通貨市場への参入も活発となっているようだ。

個人投資家が中心と考えられてきた仮想通貨市場だが、こうした機関投資家の参入により、仮想通貨市場の環境は既に一変しているのかもしれない。

近年では、AI関連分野の技術発展もめざましいものがある。あらゆる事象を数値化しやすい金融分野は、特にその恩恵を受けやすい。AI関連分野の技術発展が、アルゴリズム取引を更に高度なものに変えていく可能性も高いだろう。

今後の価格変動に注目

現在、いずれの仮想通貨もおよそ約4か月半ぶりの高値付近での推移となっているが、今後この高値を維持することがなければ、ファンダメンタルズを要因とした価格変動ではない可能性が高まる。

そうなれば、価格急騰はアルゴリズム取引による影響によるものとの見方がさらに強まりそうだ。