コロナ不況によって、エジプトでのビットコイン需要が高まる

コロナ不況によって、エジプトでのビットコイン需要が高まる

新型コロナウイルスのパンデミックがエジプト経済を不況に追い込み、エジプト国民の失業率が高まる一方で、これまでの収入を補填する一環として仮想通貨の代名詞であるビットコインの取引や、マイニングを行うエジプト国民が増加しているようだ。

NY州拠点のニュースウェブサイトAl-Monitorが、ビットコイン関連の専門家であり、エジプトの専門的なオンラインコミュニティ「Bitcoin Egypt Community」の主要メンバーであるMuhammad Abd el-Baseer氏へ取材した話によると、多くのエジプト人、特にエジプトの若者たちは、仮想通貨に興味を持ち、ビットコイン取引やマイニングによって利益を上げているという。

Baseer氏によると、エジプトにおける労働時間の短縮や外出禁止令、さらには在宅ワークへのビジネスシフトは、何千人ものエジプト人へビットコインなどのオンラインビジネスへの興味や、自身の余暇に投資することを加速させていると主張している。エジプトでは現在、在宅ワークや労働時間の短縮、外出禁止令がエジプトでの新型コロナウイルスの発生に対する予防措置として3月から国民に科されているという。

ビットコインの価値が上昇しているにもかかわらず、多くのエジプトの若者が少額から投資を始めた。彼らはビットコインの1億分の1であるサトシの採掘を始め、四半期ごとや年ごとの予想外のビットコインレートの上昇による利益の他に、需要が減少するタイミングでの買いレートと需要がピークに達したタイミングでの売りレートの差から、日々4~5%の利益を得ている。

また、エジプト公共動員・統計中央庁の最新調査によると、エジプトの失業率は2020年第1四半期の7.7%から第2四半期の9.6%まで跳ね上がっており、これは50万人以上のエジプト人が職を失ったことを意味している。これらの影響による、ビットコインへの需要が増加することは当然の結果と言えるが、エジプトではビットコインへの認知は低く、法定規制も完全には整っていない。

多くのエジプト人が仮想通貨への興味を持つ一方で、適切な法律がないことへ懸念はあるようで、多くの人々がビットコイン取引やマイニングによる法的な標的にされる可能性を懸念しているという。専門家によると、仮想通貨関連でどのような活動が合法であることから、今後、具体的な法律が施行される可能性が高まっているようだ。