仮想通貨取引所ポロニエックスが9銘柄の取引停止を発表|対象は米国における取引に限定

仮想通貨取引所ポロニエックスが9銘柄の取引停止を発表|対象は米国における取引に限定

米国における9銘柄の取引を停止|背景には 仮想通貨の ”有価証券” 問題

米仮想通貨取引所Poloniex(ポロニエックス)は、米国における仮想通貨9銘柄の取引を停止するようだ。5月17日に公式Mediumで発表した。(※Poloniex(ポロニエックス)は2014年に設立された米国発の大手仮想通貨取引所。昨年2月に仮想通貨決済関連企業Circleに買収された。)

取引停止が計画されている仮想通貨は、「Ardor (アーダー/ARDR)」「Bytecoin (バイトコイン/BCN)」「Decred (ディークレッド/DCR)」「GameCredits (ゲームクレジット/GAME)」「Gas(ガス/GAS)」「Lisk(リスク/LSK)」「Nxt (ネクスト/NXT)」「Omni(オムニ/OMNI)」の9銘柄。米国以外の地域については、引き続き取引が可能な状態が続くようだ。

今回発表された計画の背景には、現在米国で議論されている「仮想通貨は有価証券とみなされるのか」という問題について、不明瞭な状態となっていることが挙げられている。

現在、米国では「トークン分類法案(TTA)」が再び議会に提出されるなど、仮想通貨のようなデジタル資産を法律上どのように区分するのかに関して議論が持ち上がっている。

トークン分類法案は、既存の証券法及び証券取引法を改正し、”証券”の再定義を行うことで、新たな資産分類「デジタルトークン」を有価証券の対象外と見なそうとする法案だ。

米国の有価証券の判断基準に頭をかかえている仮想通貨は多い。現在有名なところでは、Ripple(リップル/XRP, 以下XRP)がそれにあたる。

昨年5月、XRPは未登録証券の販売を行ったとの主張を受け、その発行元となるRippleを含む関連企業が集団訴訟を起こされたが、現在も結論はでていない。

また、2018年には米証券取引委員会(SEC)から、Bitcoin(ビットコイン/BTC)及びEthereum(イーサリアム/ETH)は有価証券ではないとの見解が述べられたが、XRPについては言及されていない。

このような状況では、仮想通貨取引所としては、仮想通貨を上場させておくリスクも存在する。

もし、上場させている仮想通貨が規制当局から有価証券であると事後的に判断されてしまった場合、その仮想通貨発行体だけでなく、それを取り扱っている仮想通貨取引所も罰則を受ける可能性がある。

仮想通貨に関する法整備は進んではいるものの、まだ完全ではない。

こうした規制面での困惑は、仮想通貨関連企業にとってはいち早く収束してほしい議論だろう。