イギリスは仮想通貨監視へ!?
イギリスの財務省は20日、規制されていない仮想通貨(暗号資産)は「消費者を許容できないレベルのリスクにさらす」として、ビットコインのような仮想通貨を規制するため、市の監視機関に新しい権限を与えることを提案した。
現在、金融行動監視庁(FCA:Financial Conduct Authority)によって認可された企業は、認可されていない企業からのいかなる金融サービスも承認できるが、システムは適切に機能していない。同省は、認可されていない金融サービス会社からのマーケティング資料に同意を求めている認可された会社を事前審査する「規制ゲートウェイ」を提案している。
HM財務省(Her Majesty’s Treasury=イギリスの大蔵省)は今年7月16日に公開された報告書のなかで、「認可されていない企業の財政促進を承認したい企業は、まずFCAの同意を得る必要があると述べた。イギリスはFCAの「境界」を拡張し、いくつかのタイプの仮想通貨の宣伝をHM財務省下に置くことを提案している。その理由として、規制されていない仮想通貨などの暗号資産の多くが消費者を許容できないレベルのリスクにさらしているというのが政府の評価であると財務省の諮問文書で述べている。
Ashurst法律事務所のシニアアソシエイト(外資系企業の中間管理職)であるブラッドリー・ライス(Bradley Rice)氏は、クリプトアセットの提案は驚くことではない。2018年の全盛期以来輝きを失っている違法なICO (Initial Coin offering=新規仮想通貨公開によって資金を集める手法)に別の釘をさすだろうと述べている。
莫大な量の消費者のお金が仮想通貨に流れ込み、ソーシャルメディアで宣伝され、ほとんど完全にFCAの手の届かないところにあると、BDO(BDO Unibank Inc.=デオロ銀行)の会計士兼フィンテック責任者であるマット・ホプキンス(Matt Hopkins)氏は語っている。また同氏は続けて、規制によって暗号ビジネスが、受けているリスクを理解していない投資家にアクセスすることがはるかに困難になるだろうと語った。
イギリスでは、2019年1月にFCAによって「暗号化資産ガイドライン」を発表している。同ガイドラインは、同国初の法的規制の枠組みを定めるものだ。今年1月には、財務省によって暗号資産に関する金融犯罪のリスクに対処するためEUの第5次マネーロンダリング(5MLD)を施行。今年6月には、FCAによって「Cryptoasset consumer research 2020(日本語訳:暗号資産の消費者研究2020)」が発表されており、FACは着々と仮想通貨に対する規制包囲網を築いている。