Pump.fun、12分で5億ドル調達のICOを実施

Pump.funのICOを象徴する金色トークンとドル札の束のイメージ

ソラナ基盤ミームコインの急成長とその余波

ソラナ(Solana)基盤のミームコインプラットフォーム「Pump.fun」が、独自トークン「PUMP」の初回ICO(Initial Coin Offering:新規仮想通貨公開)でわずか12分のうちに約5億~6億ドル(約737~884.8億円)を調達した。

日本語訳:
PUMPの最大供給量は1,000,000,000,000で、以下のように分配されます: 33%はイニシャル・コイン・オファリングで販売され、24%はコミュニティとエコシステムの取り組みのために確保され、20%はチームに、2.4%はエコシステムファンドに、2%は財団に、13%は既存の投資家に、3%はライブストリーミングに、2.6%は流動性+取引所に分配されます

高速処理が可能なソラナ上での展開も注目され、今回のICOは過去最大級の一つとされている。Pump.funは、PUMPトークンを0.004ドルで販売し、わずか12分で完売。発行総量1兆枚のうち、33%がICOに割り当てられ、そのうち18%が機関投資家向けのプライベートセール、15%が一般投資家向けのパブリックセールとされた。しかし、プロジェクト公式サイトのデータによれば、実際に公開セールで販売されたのは12.5%にとどまり、残りの2.5%については明確な説明がなされていない。

その他の配分として、24%がコミュニティおよびエコシステムイニシアチブ向け、20%がプロジェクトチーム、13%が既存投資家に割り当てられ、残りはエコシステムファンドや取引所の流動性、ライブストリーミング支援などに配分される。

米国および英国の投資家は参加対象外とされ、KYC(Know Your Customer:本人確認)による地域制限も導入された。さらに、仮想通貨取引所Gate.ioでのプレマーケット上場が直前で中止されるなど、セール開始前後には混乱もあった。模倣トークンの出現もあり、公式は正規アドレスの周知と注意喚起を行っている。トークンの譲渡と取引は、配布完了後の48~72時間以内に可能になる見通しだ。

事業面では、ウォレット分析ツール「Kolscan」の買収や、Bitget Walletとの連携による新アプリ「MemeScan」の発表を通じて、オンチェーン上でのユーザー行動の可視化とゲーム的な取引体験の強化を図っている。共同創業者アロン・コーエン(Alon Cohen)氏は「オンチェーン取引はソーシャルスポーツ」と述べ、Pump.funの長期ビジョンを強調した。

高まる期待と批判の声

コーエン氏が過去に「プレセールは詐欺」と発言していた経緯から、今回のパブリックセール実施に対しては一部で矛盾を指摘する声がある。また、一般投資家への配分が少なく、多くをVCやチームが保有するトークノミクスにも批判が寄せられている。

Pump.funを「最も収益性の高いトークンの一つになる」と評価したDragonflyのハシーブ・クレシ(Haseeb Qureshi)氏に対し、TFTCのメアリー・ベント(Mary Bent)氏は「Z世代を破滅に導く存在」と批判した。Coinbaseのコナー・グローガン(Conor Grogan)氏は、Pump.funで作成された約1万8,000種類のトークンの大半が、1人の人物によって自動生成されていると指摘している。

調達額に関しては、供給量と価格の整合性から、実際には5億ドルに届いていない可能性もある。一方で、分散型取引所Hyperliquidでは、PUMP/USDの永久先物ペアが上場され、価格はICO水準を60%以上も上回る水準で取引されている。

Pump.funは、2023年以降に拡大したソラナ上のミームコインブームを象徴する存在で、2024年の設立以来すでに約8億ドル(約1,178.8億円)の収益を生み出している。ミームコインは価格変動が大きく実用性が限られる一方で、投機的関心を背景に高い需要を維持しており、Pump.funはその波に乗る形で注目を集めている。ただし、今後の成長には、トークン設計の見直しや透明性の向上、不正リスクへの対応といった課題への取り組みが不可欠となる。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム