ヴィチーン(VeChain/VET・VEN)の特徴・詳細とは?

2018年8月に、日本最大の携帯キャリア・NTTドコモの第5世代移動通信方式(5G)オープンパートナープログラムへの参加を正式表明し、大きく話題になったVeChain(ヴィチェイン/VET・VEN)。

次世代高速無線通信である5Gと、それをベースに展開すると予想されているIoTと呼ばれる次世代技術のインフラを担う可能性があるとして、強く注目を集めているトークンです。

中国で開発されたVeChainは、コンセンサスアルゴリズムとしては、Proof of Authorityを採用しており、発行上限枚数8億6,700万枚を予定しています。商品流通の分野でスマートコントラクトを利用した「真贋選定」展開を見越して開発され、2018年6月のメインネットローンチでも話題になったことが記憶に新しく、着実に進化を続ける今最も熱いアルトコインのひとつだと言えるでしょう。

数多くの著名な企業と提携することで、ネームバリューを高めるという、自身のブランド構築も巧みなVeChainについて、詳しく解説していきます。

ヴィチーン(VeChain/VET・VEN)の最新価格・相場・チャート・評価


ヴィチーン(VeChain/VET・VEN)の特徴・詳細とは?|IoT時代のインフラストラクチャが見る真贋と未来

商品の真贋を見分けるトークン、その先に見ようとしているもの

VeChainは商品を追跡し、その品物が本物かどうかを見分ける、「真贋選定」の技術をフィーチャーしたトークンで、これが最も大きな特徴と言えます。

「真贋」とは辞書的には本物と偽物のことです。VeChainは、ブロックチェーン技術を用いて、偽ブランドやコピー商品と正規品を区別することを意図して設計されています。

中国やアジアでは、数多くの偽ブランド物が出回っており、大きな社会問題になっています。正規品を扱うメーカーやブランドは、のれんへのただ乗りをされていることになりますし、医薬品や高機能家電などできちんと認可を受けていない商品を購入することで消費者が不利益を被ることもあるためです。VeChain(ヴィチェイン/VEN)は、そういう状況を背景に開発されています。

ところで、偽物を流通させる業者の存在は、それだけブランドの販売が儲かるということです。人はブランドに惹かれます。はたしてそのブランドとは何か、そう問うとき、それはモノの価値を増加させるものは何か、経済的に人々が集中してマネーの集まるポイントの中心にあるものは何か、という社会学的な問いと同義です。

例えば、物語やデザイン、歴史や流行、最先端テクノロジーや希少性という言葉で説明されるものでしょう。VeChainの活動は、それではそれらを抽象的に昇華し名指ししたら一体どんな表象になるのかという普遍的な問いへの挑戦ともとることができます。

このような現状を変えるためにVeChainは、NFCチップという正しい情報を認識することができるチップや、QRコード、RFIDタグなどをあらゆる商品に埋め込み、チップの情報をブロックチェーン上で管理することで本当に正しい情報なのか判断することができます。

2018年6月にメインネットローンチ

2018年6月30日は、VeChainにとっては大きな意味を持つ日となりました。

VeChainは元々、イーサリアムのブロックチェーンに属しているERC-20のトークンでした。前述の2018年6月30日にERC-20フェーズを終了し、独自開発のメインネットである「VeChainThor」への移行を完了しています。

VeChain(VEN)メインネットローンチ詳細・対応方法 / 真贋性とブロックチェーンの融合 / トークンスワップ対応

2018.06.05

これにより、通貨名称もVENからVETへと変更されました。このメインネットローンチに伴ってVETウォレットのリリースが行われ、トークンスワップも7月ごろより開始され話題になりました。

トークンスワップとは、トークン/仮想通貨の交換/換金のことです。今回は、VENからVETへトークン/仮想通貨が交換/換金され、トークンの価値は変わりませんが、1トークンあたりの価格は1/100、保有量は100倍となりました。1VENトークン→100VETトークンという変更です。

保有量が100倍となった理由については、Twitterで公式の説明がでています。スマートペイメント時に小数点で計算されることを避けるため、つまり、少額決済などでVeChainが使用されたときに計算しやすいようにするためとのことで、仮想通貨と現行の通貨との連携や棲み分けを考慮してのものだと考えられます。

リブランディング

2018年2月26日にリブランディングが行われ、名称がVeChainからVeChain Thorに変更し、トークンが2つに分かれています。

  • VeChain Toke(VET) :主に企業間で使用されるトークンで、持っているトークンの量に応じて優先順位が高くなります。
  • Thor Power(THOR) :個人用でVeChainに投資に使われるトークンで、VETを保有量に応じてマスターノードを立てることで獲得できます。

NFCチップとは?

VeChainの活用シーンでよく出てくる単語のひとつに、「NFCチップ」があります。これはおサイフケータイや、taspoやSUICAのベース技術なので、利用されたことのある方も多いかと思います。「NFCチップ」は金属の小さいチップですが、インターネットを介して認証や決済を行うことができます。

VeChainをこの「NFCチップ」に組み込むことで、偽装防止や生産者保証、認可証明などを行おうということです。

世界中の IoT(物をインターネット経由で通信させること)とブロックチェーンを活用し、商品情報を効率的に分かりやすく伝えることができます。また、スマートフォンを使用すれば、いつどこにいても商品情報を確認することが可能になります。

NFCチップや、QRコード、RFIDタグなどをすメートフォンで読み取ることができることで、あらゆる分野で活用することができます。

IOTとブロックチェーンの融合でどのような分野で活躍するのか、説明していきます。

スマートコントラクトを採用した物流分野を変革

VeChainは、スマートコントラクトシステムを採用しています。スマートコントラクトシステムとは、効率的な契約履行のこと。コントラクトとは契約のことなので、契約実行を的確かつ素早く行う自動化プロトコルのことを呼びます。

各種取引のプロセスを自動化させることができるので、仲介者を介さないことでのコスト削減と、非中央集権体勢実現によるフリーな市場活性が期待でき、実現すれば社会への大きなインパクトがあることが予測できます。

VeChainは物流の分野を中心に革新をめざしていますが、スマートコントラクトはこの分野以外でも識者の関心を集めています。具体的には、金融や投資、シェアリングや著作権ビジネスなどの分野です。

VeChainはその意味で、大きな流れの一端を担う、もしくは担うことを目指している革新的な試みだと言えます。

食料品・医療品

食品安全は世界的な関心事です。VeChainは、食品と医薬品の一意のIDを作成することで、すべてのユニットを起源からデジタル化し、消費者に届くまで製品を追跡します。

これにより、消費者と生産者は、製品ライフサイクルを通じて食品と薬物を監視し追跡することができ、生産された商品がいつでも国境を越えて小売店に出荷され、商品を購入する前に消費者の信頼と信頼を高めることができます。

ブランド品

VeChainは、ヨーロッパの有名ブランドブランドと協力して、カスタマイズされたNFCチップを皮革製品に組み込み、改ざん防止用の偽造防止ソリューションを実現しています。

これらのチップを使用して、VeChainブロックチェーン技術を使用してエンドツーエンドで製品を追跡し、ライフサイクル管理を改善することもできました。

消費者は、VeChainモバイルアプリケーションまたはNFCリーダーを使用して組み込みチップをスキャンするだけで、製品の背後にあるユニークな「ストーリー」を知ることができます。

政府

市町村の政府機関はノードとしてブロックチェーンネットワークに参加しています。Blockchainを使用すると、分散化とデータ元帳の変更が不可能になります。

これにより、透明な情報交換とコラボレーションが可能になり、インターネット上の政府サービスのセキュリティと効率を大幅に向上させることができます。

ロジスティクス

製造業者、物流、保管、小売業者、流通業者の各企業で構成されているサプライチェーンでは、各社はサイロで運営されており、独自のガバナンスを持っています。

VeChainはブロックチェーンを使用して、各社が所有するデータのプライバシーを維持しながらサイロを破棄することで、各社間の情報の流れを強化します。

それは効率的な物流プロセスをもたらし、革新的なビジネスモデルのためのスペースを作ります。

農業

VeChainは、IoTデバイスと組み合わせて、農業業界の実践に対応するために、ブロックチェーン駆動のクラウドサービスを提供しています。

管理された環境における農作物の正確さと正確なデータ収集により、その環境を監視し、作物の量と質を確保すると同時に、環境への悪影響を最小限に抑えることができます。

ヴィチーン(VeChain/VET・VEN)の評価まとめ

ヴィチーン(VeChain/VET・VEN)が連携している企業・団体

VeChain自体は仮想通貨/トークンであり、流通業界でのスマートコントラクトの活用には商品自体を取り扱う市場や企業、団体との連携や協力が必要になります。

そのためVeChainは、その発展の経緯で多くの企業や団体との連携を発表しています。日本の企業での有名なところは前述のNTTドコモ。言わずと知れた日本第三位の時価総額を誇る国内最大シェアを持つ携帯キャリアです。

このほかにも、ドイツの大手物流会社であるDB Schenker。世界的自動車メーカーとして日本でも著名なBMW、中国の大手保険会社PICC、グローバル認証機関DNV GLなど、ビッグネームと手を組んで着実に歩みを進めています。世界4大会計事務所として名高いるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の香港・シンガポール法人による株式取得や、オックスフォード大学との共同開発もニュースとなりました。

「VeChain」携帯電話会社ドコモの5Gオープンパートナープログラムに参加

2018.08.20

仮想通貨VeChain(VEN)|ブロックチェーン技術の関するMOU(覚書)を締結

2018.10.28

各種トレンドワードについて

先ほど、「IoT(Internet of Things)」「ブロックチェーン」「クラウド」というトレンドワードが出ましたが、VeChain界隈では、「スマートコントラクト」「5G」などの単語もよく目にします。各単語の意味はざっくり以下のとおりです。

単語 意味
IoT(Internet of Things) 家電やスマホをはじめ、あらゆるモノをインターネットによって連携し、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのこと
ブロックチェーン 分散型台帳技術。非中央集権的な取引とその履歴公開についての技術のこと
クラウド アプリケーションの保管場所を保有サーバで問題なくすることでスムーズな運用運営を可能にした技術やサービスのこと
スマートコントラクト 契約実行を的確かつ素早く行う自動化プロトコルのこと
5G 現行サービスの約1000倍の通信速度を実現目標・2020年のサービス開始をめざして研究開発されている高速通信技術のこと

どれも技術会の流行り言葉で、もしかしたらすぐに古くなってしまうものかもしれません。ただ、VeChainの見据えているものが見えてくると思います。

ヴィチェイン(VeChain/VET・VEN)の今後について

VeChainは今後どのように普及していくでしょうか。その技術的な方法と背景、予測される活用方法についていくつか考えてみましょう。

「IoT(Internet of Things)」「ブロックチェーン」「クラウド」とトレンドワードが並んでおり、新世代の技術を次々と活用しています。VeChainは、これらの新しい技術を見越して今後も進んでいくのだと言えるでしょう。

VeChainの今後のロードマップは、下記のようになっています。

ロードマップ
  • VeChainのV4.0の提供
  • IOTとの深い統合を進める
  • より多くの産業用ブロックチェーンクラウドへと進化

ヴィチーン(VeChain/VET・VEN)の将来性

メガトレンドバズワード全開のVeChain(ヴィチェイン/VET・VEN)。今後はどのように展開していくのでしょうか。先に出た単語を掘り下げてみます。

上記の偽装防止は、アパレル関連のブランド品での証明に使われることが予想されています。デザイナーがプロデュースした正規品を、ブロックチェーン技術やスマートコントラクトで保証された環境で販売。購入することができます。

生産者保証は農業・畜産分野。その野菜がどの土地で誰によって作られたのか、その牛肉はいつどこで産まれて何を食べて育った牛なのか、というようなことが偽装できない形かつ低コストで消費者に届くのです。

認可証明は医薬品での利用が考えられます。医薬品の偽物は、患者の健康にも直接関わります。また、危険性から法律的規制もあり、個人では購入できない効き目の強い医薬品についてもVeChainで情報保護されるようになるかもしれません。

VeChainは、未来の言葉や技術を味方につける形で自己ブランディングしています。この勢いがどこまで続くか要注目です。