Huawei、デジタル人民元のハードウェアウォレット内蔵したスマートフォンを発表
中国の通信機器メーカーHuawei(ファーウェイ)は、中華人民銀行(中国の中央銀行)が発行するデジタル人民元のハードウェアウォレットを内臓したスマートフォンを発表した。TheBlockが報じた。
本日行われた記者会見にて同社は、「Huawei Mate 40」と呼ばれる新たなスマートフォンを発表。HuaweiのコンシューマビジネスグループCEOの于成東氏は壇上で、「Mate40がデジタル人民元のハードウェアウォレットを搭載した初のスマートフォンである」と述べ、次のように使用拡大の重要なステップであることを強調した。
今回発表された機能は、モバイル分野においてデジタル人民元の使用拡大するためのステップである。
HuaweiのWeiboの投稿によると、Mate40はデジタル人民元の制御可能な匿名性を備えたハードウェアレベルのセキュリティを実現するとし、物理的なDC/EPウォレットとして、オフライン環境における取引も可能だと説明している。しかし現段階では、Mate40を使用するユーザーが、銀行に貯蓄している人民元をデジタルウォレットに直接換金できるかは不明である。
Huaweiと中国人民銀行の関係が明らかになったのは、今回が初めてではない。昨年11月、同銀行のデジタル通過リサーチ部門は、Huaweiと戦略的提携関係を結んでいる。この提携関係は当初、金融分野の研究とリサーチが目的とされていたが、実際にどのような関係で戦略が練られていたのかは定かではなかった。
中国のデジタル人民元の現在状況
中国人民銀行が構想するデジタル人民元は現在、パブリックテストを順調に進め、中国深センの国民に対して、実証実験の一環として総発行枚数1,000万元(約1億5,700万円)相当のデジタル人民元を配布した。これは1人あたり200元(約3,200円)の無料配布である。
また配布されたデジタル人民元は、個人のスマートフォンを通じ、専門アプリをダウンロードして使用することができる。そのため、Huaweiが発表したMate40を使用しなくともデジタル人民元は、使用できるが、今後の利便性やその他の機能拡張などが付随される可能性は十分に高い。