トヨタシステムズが独自デジタル通貨の実証実験を開始
日本の車製造企業のトップを走るトヨタ自動車の完全子会社であるトヨタシステムズが本日、日本の仮想通貨取引所DeCurret(ディーカレット/関東財務局長第00016号 平成31年3月25日 登録済み)との新しいパイロットプロジェクトの一環として、デジタル通貨ソリューション実証実験を共同開催していることを発表した。
同プロジェクトは、サプライチェーンや企業間取引におけるデジタル通貨の活用を研究目的としており、プロジェクトには、トヨタシステムズの2,500人のスタッフへのプライベートデジタル通貨による支払いの自動化が含まれているとのこと。
TOYOTA SYSTEMSより画像引用
このデジタル通貨で行われる支払いは、従業員の福利厚生の支払いなど、福利厚生に関連しており、従業員はデジタル通貨で支払われた福利厚生をカタログに記載されている他の福利厚生や、ギフトと交換することもできるという。ただし同社は、このデジタル通貨をあくまでも円には両替できないことを強調している。
この動きにより、トヨタシステムズの主な目的は、ビジネスペイメントのスケーラビリティと課題をテストすることではあるものの、長期的な目標として、福祉ペイメントトライアルのみの使用を超えたデジタル通貨を拡張することが見え隠れする。
なお、プレスリリースによると、長期ビジョンにはプライベートデジタル通貨が企業のサプライチェーンや、企業間取引で“どのように使用される可能性があるか”が含まれている。
トヨタシステムズの親会社であるトヨタ自動車も、その事業の中にトヨタブロックチェーンラボを持っており、これまでにアイデンティティ、広告、債券発行、電気自動車バッテリーを使用したP2P(※1)ブロックチェーンエネルギー取引などのブロックチェーン技術の試験を実施している。
(※1)P2P(peer-to-peer)とは、スマホなどの不特定多数の端末がサーバーを介さず、端末同士で直接データファイルを共有できる通信技術やソフトウエアのことを指す。)
一方、同プロジェクトに参加するDeCurretは、保険会社の大同生命と関西電力のデジタル通貨トライアルを開始し、日本の中央銀行である財務省を含むセッションで、日本でデジタル通貨研究グループを主催していることでも知られている。