ロシアで仮想通貨詐欺が急増
カスペルスキー(Kaspersky)と他のサイバーセキュリティ企業は、2020年前半、ロシア国内で仮想通貨関連の詐欺が急増していることを確認した。研究者らは、オンラインで新たに被害者を狙った仮想通貨詐欺に関与しているとみられるおよそ23,000件のウエブサイトを特定した。Kaspersky Labsの研究を引用したコメルサント(Kommersant)氏によると、仮想通貨詐欺問題は昨年の同時期と比べ、今年前半だけですでに3倍の規模に急増していると述べた。
具体的例の1つとしてあげられたのが、被害者(ターゲットユーザー)は調査の完了などで、手数料や“定額の支払い”で多額のコミッションを受け取る約束をしているサイトが含まれているという。このようなサイトでは、被害者は最初に「入場料」を支払う必要があり、二重にお金をだまし取られている。
Qrator Labs https://qrator.net/en/ によって特定された別の詐欺は、ブラウザーから未使用のコンピューティングパワーを介し、仮想通貨をマイニングして資金を稼ぐ手法が発見されている。マイニング詐欺師は、メンバーシップシステムの「ランキング」を引き上げるため、定額の支払いも要求しており、会費が高ければ高いほど、被害者はより多くの収入を得ると誘っていた。
実際の仮想通貨詐欺事例と対策
サイバーセキュリティの専門家による懸念の1つは、詐欺師がクレジットカードによる支払い方法を提供しているため、銀行データも盗まれるリスクがある点だ。最悪の場合、銀行カードデータが攻撃者の手に渡った場合、ユーザーの銀行口座からお金が引き落とされることも十分に考えられるため、警戒が必要だ。一方で、仕掛ける側の詐欺師らは、クレジットカード決済プロバイダーが不正取引を取り下げる可能性があるため、より強力な措置を講じて法執行機関と緊密に協力して詐欺師の身元を明らかにすることを推奨している。
セキュリティ会社のInfosecurityのジェネラルディレクターであるキリル・ソロドヴニコフ(Kirill Solodovnikov)氏は、最新のセキュリティツールが最小限で使用されるため、スキームには小規模で人気のない支払いシステムが含まれる可能性があると指摘。さらに、インターネットサイトで支払う際は、ページに同じドメインのメインサイトへのリンクがあるかどうか、プライバシーポリシーやユーザー同意書などの公式文書があるかどうかをユーザーが確認することを推奨している。
最近の報告で、ロシアの検察官が、Telegramの終了したブロックチェーンプロジェクトに関連する不正なトークンを販売したとされるイギリス企業を調査していることが明らかになった。また、7月3日にはあめりか当局によって、ビットコインを使用したマネーロンダリングの疑いでロシア国民を逮捕している。