コインベース、97万BTCをコールドウォレットに保有

コインベース、97万BTCをコールドウォレットに保有

米仮想通貨取引所コインベースがコールドウォレット(オフラインのウォレット)に約97万BTCを保有していることが、BitUniverseのデータを使用したredditの投稿により明らかとなった。取引所が交換の役割だけでなく、仮想通貨を保管する「銀行」のような存在になりつつある。

コインベースがコールドウォレットに保有しているビットコインは、約966,230 BTCとなっている。これは、現在価格に換算すると70億ドル以上の価値がある。他の取引所に関しても、多くの仮想通貨をコールドウォレットに保管している。

たとえば、保有額第2位のBitMEXは約265,140 BTC(約20億ドル)をコールドウォレットにて保管している。Bitstampは約229,490BTC(約17億ドル)で、第3位となっている。その他、上位の取引所ではBitfinexが約146,120BTC、米老舗取引所のKrakenが約136,780 BTC、同じく米取引所のBittrex約131,340 BTCとなっている。また、日本の取引所であるCoincheckも、約35,090BTCをコールドウォレットにて保管している。コインベースを含めて、米国の取引所が保有率が高い傾向にあるようだ。

取引所の保管によるセキュリティリスクは?

取引所が多くの仮想通貨を保有することは、ビットコインの基本理念である「非中央集権」の分権化に失敗しているという見方もある。実際に、多くの資産が集中することで、取引所はハッキングなどのサイバー攻撃の対象になりやすい。日本国内だけでも、数十億円を超える規模のハッキング被害が過去に3回起こっている。国連が発表したレポートからもわかるように、北朝鮮のように国家単位でハッキングを仕掛けてくる例もある。こうした強力なサイバー攻撃に対しては、並みのセキュリティでは太刀打ちできないだろう。

一方で、コインベースにこれだけビットコインが集中する理由は、その保管方法に他ならない。コインベースでは資産の99%をコールドウォレットにて保管している。加えて、ホットウォレットに入っている残りの1%すべてに、FDICの保険が掛けられている。仮にこの1%の資産がハッキング被害を受けても、その全額が補償されることになるため、ユーザー側にはよほどのことがない限りサイバー攻撃による資産の損失は発生しない。コインベースはこうした強固なセキュリティを構築したことで、個人投資家から機関投資家まで多くの信頼を獲得し、結果的に多くのビットコインを集められたのだろう。