イーサリアム財団の研究員、FBIに逮捕
イーサリアム財団の研究員であるヴァージル・グリフィス氏が、北朝鮮のマネーロンダリングに関与したとして逮捕された。当局(マンハッタン米国検事事務所)の発表から明らかとなった。
グリフィス氏は米国市民であり、北朝鮮にマネーロンダリングに繋がる高度な技術情報を売却した容疑で今回の逮捕に至った。加えて、グリフィス氏が情報を売却したことで、北朝鮮政権に圧力をかけるために米国大統領や政府が講じている措置を危険にさらしたと述べている。
当局によると、グリフィス氏は2019年4月に北朝鮮へ向かい、2019年11月28日にロサンゼルス国際空港で米国法違反で逮捕された。逮捕について、FBIのアシスタントチャージングディレクターは以下のようにコメントした。
「北朝鮮が核兵器開発のための資金や技術、情報を得ることは世界の危険に繋がります。これらに協力する人間は、誰もその制裁を回避できません。米国市民が北朝鮮を支援することを選んだことは、非常に残念なことです。」
また、グリフィス氏は米国市民でありながらも、実際にはシンガポールに居住していたとのこと。グリフィス氏に対する罪状は、IEEPA(国際緊急経済権限法)に違反するものであり、最大で20年の禁固刑に処せられる可能性がある。もちろん、刑期に関しては、後ほど行われる裁判において裁判官が判決を下すこととなる。
北朝鮮、ハッキングで20億円相当を取得
今年9月、国連の北朝鮮制裁委員会は北朝鮮がハッキングなどのサイバー攻撃で、仮想通貨20億円相当を取得していると発表した。北朝鮮に関しては、国内取引所BITPointやCoincheckのハッキング事件に関しても、犯人ではないかと推測されていた。どちらの取引所も数十億円規模の大規模な損害が出ている。BITPointに至っては、外部の評価機関から証券会社と同程度のセキュリティ評価を受けていた。
また、国連のレポートには、北朝鮮が仮想通貨ハッキングに特化した人材を育成しているという報告も出ている。国家単位でハッキングを仕掛けられれば、並みのセキュリティでは太刀打ちできないだろう。専門家が情報提供をしていたことを踏まえても、想定される以上のセキュリティ対策を講じる必要がある。
イーサリアム価格には影響なし
グリフィス氏の逮捕のニュースはあったものの、イーサリアム価格には影響が出ていないようだ。コインマーケットキャップのデータによれば、イーサリアムは過去24時間で約2%上昇している。