バイデン大統領がFRB副議長にマイケル・バー氏を指名
ジョー・バイデン(Joseph Biden)米国大統領は4月15日(金曜日)、マイケル・バー(Michael Barr)氏をFRB(Federal Reserve Board=米国連邦準備制度理事会)の副議長に指名する意向を発表したことが明らかになった。
バー氏は現在、ミシガン大学で金融規制に関して教鞭をとっており、オバマ政権で財務省の金融機関担当の次官補を務めたほか、2015~2017年にかけてRippleの諮問(しもん)委員会に参加していたことでも知られている。バイデン大統領は声明で、インフレとの戦いが現在の主要な政策課題であり、この取り組みにおいてFRBが重要な役割を担っているとし、バー氏が適任であるとの見解を示した。
FRBはクオールズ氏就任を期待
FRBでは、ランダル・クオールズ(Randal Quarles)副議長が2021年10月に退任して以来、副議長の席が空席のままとなっていたこともあり、副議長の就任が期待されていた。
実際、FRBの副議長という役職は、Bank of AmericaやGoldman Sachsを含む大手銀行持株会社の監督を担うとされているため、米国の金融規制の中でも特に難しいポジションであるとされている。当初バイデン政権はサラ・ブルーム・ラスキン(Sarah Bloom Raskin)氏を副議長として指名していたが、承認に必要なだけの支持を集められず、3月にラスキン氏は副議長を辞退している。
バイデン大統領はバー氏の指名にあたり、消費者金融保護局の創設やドッド・フランク法(※1)の制定で重要な役割を果たしたことなど、バー氏が消費者保護に努めてきたことを挙げているとのことだ。
2010年に起きた金融危機であるリーマン・ショックをきっかけにオバマ政権が制定した金融規制改革法であり、金融危機が消費者に大きな打撃を与えないようにすることなどを目的とし、金融機関の破綻処理ルールの策定などを行っている。
また、マサチューセッツ州選出の民主党で進歩派のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員も、バー氏の出馬を支持する意向を示しており、バイデン大統領は次のように語っている。
バー氏は政治的なあらゆる分野から強い支持を得ており、超党派ベースで上院によって承認されています。彼は、この仕事が党派的な仕事ではなく、アメリカ人が公平に扱われ、経済的安定を守るために、わが国の金融機関を規制する上で重要な役割を果たしていることを理解しています。
一方で、共和党の議会補佐官がCNBCに語ったところによると、上院の共和党議員からは、過剰な金融規制とみなされるバー氏の仕事ぶりについて、反対票を多く受ける可能性があるとのことだ。