大手家具ニトリ、物流のDX化を推進|ブロックチェーン業務管理システムを稼働予定
国内最大級のインテリア小売企業である「ニトリホールディングス」の物流会社がブロックチェーンを活用した新システムを今秋に稼働させる予定であることが発表された。
同社は早急なDX(デジタルトランスフォーメーション)の対応に尽力しており、その中でブロックチェーンやAIを活用した物流管理システムを構築しながら、目標として2030年までに配送業のアウトソーシングを数百億円規模の事業に育て、業務の効率化と外部委託による売り上げ拡大を狙う。ブロックチェーンを採用したポイントは3つあるようで、主に下記のような理由が挙げられる。
- 紙伝票の撤廃
- 運送会社との情報共有
- 積載率の向上
ニトリが提携している多くの運送業者は、配送伝票や受発注のやり取りを電話やFAXをベースに処理しており、書類の紛失や伝達漏れなどを引き起こす一因となっている、このようなミスを未然に防ぐには業務管理システムの導入を行い、業務プロセスの管理などが必要になってくるのだが、導入コストやランニングコストなどの捻出が難しい中小企業にとってはハードルが高い設備投資になっており、未だにアナログな運営体制で営業している業者が大多数存在しているのが現状だ。
ブロックチェーンをはじめとした、分散台帳技術は大掛かりな設備投資は不要で、ステークホルダー間とのやり取りが可能になる。これにより、多くの中小企業において業務フローの管理が可能になるだろう。また、今後予定される、他社を荷主とした、物流受託業務を展開することを考えれば、社内外含めドライバー一人一人の情報を管理出来るようになれば、各作業員のスキルに見合った作業タスクを割り当てることが可能になり、業務の最適化が促進される。
ニトリグループ全体ではコロナウイルスによる影響で世界経済が不況な状況下でも34期連続の増収増益となる、売上高6532億円(前期比1.7%増)、経常利益1133億円(同3.4%増)を目標に掲げている。今回の事業領域のスケールの裏側には、国内の消費が鈍化し、先行きが不透明であることが挙げられる。消費の減少により売り上げが低迷する前に、ロジスティックのDXを中心に進めることで物流の外販事業など多角的に、収益源の確保を行うことが狙いだ。
ブロックチェーンに関するアドバイスやコンサルテーションを行うのはLayerXが担当し、全面的にサポートを行うようである。