ウォルマートがカナダでブロックチェーンベースの物流管理システムを構築
世界最王手の小売業者であるウォルマートは、カナダに拠点を置く、ブロックチェーン開発のスタートアップ企業「DLT Labs」と提携し、サプライチェーン間の物流業社の追跡及び、工程の改善に向けたブロックチェーンベースのシステムを構築することを発表した。
今回の取り組みでは、ウォルマート・カナダを拠点に展開していくようで
物流のデータをリアルタイムに管理、統合することを目的にしている。
ウォルマート・カナダとDLTLabsによって構築されたブロックチェーンのネットワークはウォルマート・カナダの在庫を輸送する際に70のサードパーティーの運送会社への情報共有を可能にし、カナダの400件を超える小売店とのトランザクションとその間で発生する支払い業務をスマートコントラクトで自動決済する仕掛けを形成する予定だ。
ウォルマートといえば、食の安全性確保において付加価値を付けて販売するための戦略として、ブロックチェーンのトレーサビリティ管理を導入することで、消費者が生産地などの情報をトレースできるような仕組みをIBMの「Food Trust」というプラットフォーム上に構築している。
IBM「Food Trust」上で提供される機能は下記の通り
- 追跡(トレーサビリティ管理)
- 証明書管理
- 鮮度分析
- ユーザーアプリ
現在はウォルマートや傘下のスーパーで販売される農作物やインド産のエビなどの食料品を対象に管理が実施されており、直近ではドローン通信の基盤にブロックチェーンを組み込み米国特許商標庁へ申請していることから様々な配送インフラに対して活用を試みていることが伺える。
ウォルマート・カナダの物流およびサプライチェーンのシニア・バイスプレジデントであるジョン・バイリス氏は、「ブロックチェーンを用いた管理体制が如何に有用であるのか」に関して、下記のように発言している。
「この新しいダイナミックでインタラクティブなブロックチェーン技術プラットフォームは、ウォルマート・カナダとわれわれのすべての運搬パートナーに、完全な透明性を生み出す。ブロックチェーンは、我々の輸送ネットワークを、サプライチェーンの簡易決済や著しいコスト削減といった利点で、前進させることができる。また天然資源の消費量も削減することができ、環境面でのサステナビリティにおけるリーダーシップも維持できる」
ブロックチェーンを用いるメリットは取引の透明性を高める以外にも、サプライチェーンに関わる業者や機関とのインターオペラビリティを高めたシステム構築を可能にするところにある。
今後、様々なプラットフォームが接続され、サプライチェーン以外への応用にも期待していきたい。