ブラジル、出生記録にブロックチェーン技術を活用

ブラジル、出生記録にブロックチェーン技術を活用

2019年8月31日、ブラジルが世界で初めてブロックチェーンで出生証明書を登録した国となったことが判明した。ブラジル人の赤ちゃんの名前はアルバロ・デ・メデイロス・メンドンサ。男の子だ。7月8日にリオデジャネイロの病院Casa de Saude Sao Joseの産科病棟で生まれた。従来の市民登録簿への登録は行っていない。赤ちゃんの母親はMonique de MedeirosGonçalvesさん。父親のWaldyrMendonçaJuniorさんによれば、出生登録には5分もかからなかったという。

両親は病院から出生記録をブロックチェーンで行うプロジェクトへの参加を呼びかけられた。その企画は、IBMと提携したブラジルのIT開発企業で、仮想公証人サービスを行うGrowth Techが行った。登録にはGrowth Techの「Notary Ledgersプラットフォーム」が使用され、病院とブロックチェーン公証人の橋渡しの準備がすでにできていた。今回はまだパイロット段階だという。営業担当者Waldyr氏はブロックチェーンが出生届の手順を大幅に高速化したと語っている。両親は子供が生まれた後、公証人のいるオフィスまで出向かなくても済むのだ。ブロックチェーンと医療は相性が良い。

ブロックチェーンへ出生記録を登録するには?

IBMのブロックチェーンテクニカルリーダーCarlos Rischioto氏によれば、赤ちゃんの出生記録の登録方法には3つの手順があるという。

1・病院で確認された「生年月日」を登録
2・検証済みのデータと写真を使用して、親がプラットフォーム上にデジタルIDを作成
3・全ての情報が自動的にレジストリ(患者登録)に送信され、証明書が完成され、親に返送される

Rischioto氏は、テクノロジーを使用して企業が抱えるビジネス問題の解決方法を見つけるには「スピード、効率、透明性があり、なおかつビジネスプロセスにおける多くの煩雑ともいえる官僚的手順を排除することだ」と述べている。

IBMとブロックチェーン技術

IBMは2108年の米国における特許登録数で第1位(数は2位の3倍弱)で、ブロックチェーンに関する特許数は去年の3倍にもなっている。今年は利益が減少傾向にあるものの、IBMは2025年までにアプリケーションホスティング市場で爆発的に成長するだろうと予測する研究結果も発表されている。

IBMblockchainを活用している企業には、海運大手マークス・大手食品会社ネスレ・小売業者カルフールなどがある。

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