SBIレミットが日本ーベトナム間で初の分散型台帳技術を活用した送金サービスを開始
国際送金サービス事業を手がけるSBIレミットと、SBIリップルアジアが11月15日、ベトナムの商業銀行であるTPBankとの間で、リップルネットを活用した送金サービスを開始したと発表した。日本ーベトナム間では、初となる分散台帳技術を活用した実際の送金ビジネスは初という。
リップルネットは、米リップル社が提供する国際送金の円滑化を目的としたネットワークシステム。銀行間の国際送金・決済を瞬時に可能とする「XCurrent」と、送金情報などを共有・可視化する「xRapid」、外部からリップルネットの利用を可能にするAPI「xVia」という3つのソフトウェアで成り立っている。送金業者、仮想通貨取引所、事業会社などがリップルネットを経由し送金することで、通常、数日程度かかる国際送金がわずか3~5秒ほどで可能になるという利点がある。
SBIレミットは、リップルネットを利用したサービスを開始したことで、SBIレミットとTPBank間において「リアルタイムかつ最低水準の手数料での送金が可能になった」と強調している。リップルネットの導入目的については、過去5年間で約4.5倍に伸び、2018年12月末現在で33万835人いる在日ベトナム人の存在を挙げ、「在日ベトナム人の今後増加が見込まれ、それらのお客様により安全・利便性の高いサービスを提供していきたい」と語っている。
SBIグループの北尾吉孝代表は、今回の送金サービスについて次のように述べている。
「成長著しいベトナム経済は、最も魅力的な市場の1つ。SBiグループが2009年に出資し、現在19.9%のシェアを保有するTPBankは、貸出金を順調に積み上げつつ、先端技術を積極的に取り入れ、時価総額も急拡大しつつある。今回のリップルネット導入によって、競合他社とより大きな差別化を図るほか、将来的には仮想通貨を組み入れた送金サービスを開発にも繋げられると考えている」
開発元のリップル社によるリップルネットの開発は着々と進んでおり、11月上旬に開催されたカンファレンス「SWELL」では、同社が新たな統合型アプリ「リップルネット・ホーム」をステージで紹介。リップルネットから送金システムを行い、送金プロセスをリアルタイムで観測できるビジネス向けシステムで、送金履歴などを管理する機能を備えているという。