リトアニア中銀、2020年に収集用デジタル通貨を計画
リトアニアの中央銀行が2020年の春頃までに、「デジタル・コレクターコイン」という収集用の独自のデジタルトークンを発行する。リトアニア銀行のプレスリリースから明らかとなった。この記念トークンは、1918年の独立宣言と20人の署名をモチーフとして作成される。
発行枚数は24,000コインとなっており、署名を行った20人の活動分野を基にして6つのカテゴリで分類される予定だ。トークンは6つのカテゴリごとに4,000ずつ割り当てられる。購入時にはランダムに選ばれた6つのコインを受け取ることになるが、6つのカテゴリを制覇することで19.18ユーロ(約2300円)の額面を持った銀貨と交換することもできる。リトアニア銀行は、こうしたゲーム性の高い要素を取り入れることで、若年層もトークン収集に惹きつけたいと見解を示した。記念トークンは、リトアニア銀行のオンラインストアから購入できる予定となっている。
ブロックチェーンのノウハウ構築の一環として
リトアニアはブロックチェーンに注力している国としても有名だ。2018年には、ブロックチェーンの研究開発センターとなる「Blockchain Centre Vilnius」を立ち上げている。リトアニア銀行の担当者によれば、今回の記念トークン発行に関しても、政府機関としてブロックチェーンを活用し、そのノウハウを積み重ねたい狙いがあるとのこと。
現時点で多くの中央銀行がデジタル通貨の発行を模索している。たとえば、習近平国家主席のブロックチェーン発言があった中国や、中央銀行が来年初頭から試験運用開始を目指しているフランスでは、法定通貨のデジタル化に真剣に取り組んでいる。そんな中、リトアニアのこうした取り組みは、こうした国々に追随するために理にかなっている行動と言えるだろう。
コレクター向けのトークン「NFT」
こうした記念トークンなどでの活用が見込まれているのが、NFT(NonFungibleToken)だ。NFTには「代替不可能トークン」という意味があり、代替可能な通常のトークンと違い、ネットワーク上にそれ1つしか存在しえないものとなっている。NFTは野球カードなど、コレクション性が高いものをデジタル化する際などに活用が期待できる。その他にも、アートや不動産の所有権としても利用が見込まれている。所有権をNFTに置き換えることで、資産の流動性を高めることが可能だ。