取引所コインベースの仮想通貨リップル(XRP)取引、NY在住者も利用可能に|新たな資金流入に期待か

取引所コインベースの仮想通貨リップル(XRP)取引、NY在住者も利用可能に|新たな資金流入に期待か

米仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)は、ニューヨーク在住者にもRipple(リップル、以下XRP)の取引サービスを提供することをTwitterの公式アカウントで発表した。今年3月1日から同取引所にXRPが上場されているが、上場時、その取引が可能となる地域からニューヨーク州は外れていた。今後は、ニューヨーク在住者でもCoinbaseでXRPの売買や交換、送受金、保管とが可能となる。

同取引所のXRP上場は段階的に行われた。

当初は、XRPの取引サービスの提供は、Coinbase Proのみとなっていたが、今年3月1日から、一般利用者でもXRPの取引が可能となり、その対象範囲を拡大した。しかし、対象範囲の拡大がなされる中でもニューヨーク州は取引サービス提供開始地域から外されていた。

これには、ニューヨーク州の仮想通貨に対する厳しい規制の存在がある。

米国において、仮想通貨のデリバティブ取引については米商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission ,:略称CFTC)の管轄下に置かれるが、現物取引については、州当局の管轄下に置かれる。

ニューヨーク州では、ニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services ,略称:NYDFS)が規定する仮想通貨交換業に関するライセンス取得後、定期的な検査等の厳格な規制環境下に置かれるという現状がある。

こうした現状の中、仮想通貨取引に関する新規サービスの提供開始の際は、ニューヨーク州がその対象から外されるといったパターンも多いようだ。

Coinbaseの今回の決定は、こうした厳しい規制環境下の中においても、取引対象地域を拡大していきたい姿勢が感じられる。ニューヨーク州は、金融中心都市としての存在感も大きい。こうした地域で取引サービスを提供し続けることは、仮想通貨取引所としての信頼性向上にもつながるだろう。

また、Coinbaseは企業買収を積極的に進め、金融関連のライセンス取得にも意欲的である様子が度々報道される。今後の事業拡大や新規サービスにも期待したい。

余談だが、XRPについては、昨年5月に「XRPは有価証券とみなされるべきだったが、無許可で販売されていた。」といった訴訟問題も話題となった。Coinbaseへの上場に関しても、XRPのマーケティング担当者からRipple社とは無関係に、Coinbaseの独自判断による上場であるといった旨のツイートもなされている。

このように、仮想通貨は規制という枠組みの中でどうあるべきかという点については、まだまだ議論の段階にある。こうした議論も進展を見せることで、仮想通貨市場はより一層活気だったものになることも期待したい。

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2019.05.15