世界銀行がエルサルバドルの要求を拒否
世界銀行(※1)は最近、法定通貨としてのビットコイン(Bitcoin/BTC)の採用を支援するための、エルサルバドルからの要求を拒否したことが明らかになった。
各国の中央政府または同政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行う国際機関で、現在の加盟国は189カ国。アメリカ合衆国ワシントンD.C.に本部が置かれている。
世界銀行は、NEXTMONEYの「エルサルバドルが圧倒的多数で正式にビットコインを法定通貨として可決」で報じたように、エルサルバドルでビットコインを法定通貨にするという決定を下したナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領からの、支払いの受け入れ要求を拒否。その一方で、世界銀行の設立文書によると、加盟国のいずれかの法定通貨での支払いを受け入れなければならないと規定されているため、世界銀行が規則に従い、ビットコインでエルサルバドルによって行われた預金を受け入れる必要があることを意味しており、近いうちに受け入れが現実化するかもしれない。
世界銀行の創設文書の定義
1944年に設立された世界銀行の創設文書は、加盟国からの現地通貨での支払いを受け入れるというコミットメントを中心としたテーマがあり、文書の第5条セクション12には、加盟国による銀行への受け入れ可能な支払い方法を「加盟国の政府またはそのような加盟国によって指定された預託機関によって発行されたメモまたは同様の義務」として定義している。
エルサルバドルでビットコインが法定通貨とされた場合、世界銀行は国からビットコインを受け入れるだけでなく、ビットコインの価値が上がる場合は国の利益を支払う必要があり、価値が下がる場合はエルサルバドルからより多くのビットコインを受け入れる必要がある。しかし、世界銀行のスポークスパーソンは、エルサルバドルが法定通貨としてビットコインを採用したことは、「環境と透明性の欠点を考えると、世界銀行がサポートできるものではない」と述べている。
これに対して仮想通貨コミュニティは、世界銀行が過去6年間で化石燃料プロジェクトに120億ドル(約1兆3,300億円)以上を投資したことを指摘。最も透明性の高い通貨であるビットコインがこのような理由で拒否された事に異議を唱えている。