香港がCBDCパイロットプログラムを開始
HKMA(Hong Kong Monetary Authority:香港金融管理局)は、2022年12月にCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の白書を発表してから5カ月後に、e-HKDと呼ばれるCBDCの試験運用を開始した事が分かった。
Breaking🚨: Hongkong🇭🇰 Monetary Authority (HKMA) announced the launch of the CBDC (e-HKD) pilot program.
A total of 16 firms have been selected for the pilot program.
Check out potential use cases of e-HKD in the next tweet.
1/2 pic.twitter.com/JPFqNNMujU
— KoinX (@getkoinx) May 18, 2023
HKMA(香港金融管理局)は、CBDC(e-HKD)パイロットプログラムの開始を発表しました。
パイロットプログラムには合計16社が選ばれた。
次のツイートで、e-HKD の潜在的なユースケースを確認してください。
その後当局は、パイロットがいつ開始されるかについてのタイムラインは示さないまま、CBDCのビジョンについても概説している。最新の詳細に基づくと、試験プロジェクトには16の銀行と決済処理業者が参加する予定という。中央銀行は一定量のe-HKDを発行し、参加者は通貨の有効性をテストし、都市国家にとって有用かどうかを検討していくとのことだ。
このプログラムは、金融および商業の幅広い状況における e-HKD の実現可能性と有効性を評価することを目的としており、提携銀行や決済会社16社が選んだ小規模な顧客グループを対象にトライアルを実施する。なお、HSBC、スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)、BOCHK(旧名:中国銀行香港)の 3 つの紙幣発行銀行か試験運用に参加する。
試験運用はトークン化された資産などの特定基準を分析へ
同パイロットは、本格的オフラインの支払い、トークン化された預金、ブロックチェーン取引の決済、トークン化された資産などの特定基準を分析するように設計されている。
HKMAが11月に調査結果を発表するまで約6カ月かかるものの、現在の設計では、e-HKD は小売顧客向けのデジタルソリューションの位置づけとなっている。CBDC が香港政府によって完全に支援され、HKMA によって規制されているデジタル化された形式の法定通貨でのため、香港のすべての住民がアクセスできるようになる。HKMAのハワード・リー(Howard Lee)副CEO(副最高経営責任者)によると、CBDCの立ち上げは、香港住民がオンライン決済方法の利用にますますオープンになっているため、適切なタイミングで行われていると述べたうえで、今回の発表に際して次のように述べている。
近年、住民がオンラインバンキングサービスの利用に積極的になっていることから、HKMAはデジタル通貨を検討するのに最適な時期であると考えている。そのため、デジタル版の香港ドルのテストを実施することは、従来の決済サービスプロバイダーとの連携を促進するだけでなく、CBDCに対する「当局の準備を最大限に高める」革新的なユースケースの探索とリリースも促進することになる。
HSBC香港のルアン・リム(Luanne Lim)CEOは、最終的にe-HKDが法人化されれば、地方銀行の競争力は強化されるだろうと述べている。
香港のCBDCパートナーシップ
2020年9月にHKMAは、イーサリアム(Ethereum)ベンチャースタジオであるコンセンシス(ConsenSys)と提携し、CDBCプロジェクトの一環として香港とタイなどの他の主権当局との間の国境を越えた取引を処理している。
3年後にあたる2023年5月、HKMAはブロックチェーン企業リップル(Ripple)と協力し、e-HKDプロジェクト向けの不動産資産トークン化ソリューションを披露。現在、香港は「ブリッジ」プロジェクトとして、PBoC(中国人民銀行)、BIS(国際決済銀行)のイノベーションハブ香港センター、アラブ首長国連邦とタイの中央銀行を含む複数の中央銀行と並行して連携。目的は、国際決済においてCBDCをどのように活用できるかを研究することを目指している。