取引所バイナンス、BINANCE RESEARCHで仮想通貨市場の分析結果を公開

取引所バイナンス、BINANCE RESEARCHで仮想通貨市場の分析結果を公開

仮想通貨取引所「Binance」の調査セクター「BINANCE RESEARCH」から仮想通貨市場の分析結果が公表されている。

この分析には、機械学習の中でも分類問題に適用されるクラスタリングと呼ばれる手法が用いられているようだ。クラスタリングは、「教師なし学習」の一つで、あるデータセットを、特徴をもった塊ごとに分類していく方法だ。サンプリングの段階では、どのデータ同士が類似したグループ(クラスター)とみなせるかは不明だが、クラスタリングを行うことにより、データをいくつかのカテゴリーに分けることができる。サンプリングを行ったデータのカテゴリーは事前に分かっておらず、正解データというものが存在しないことから、「教師なし学習」と呼ばれる。

今回のBINANCE RESEARCHの調査結果では、Bitcoinのフォークで誕生したBitcoin GoldやBitcoin Cashなどは、同じクラスターに分類されたことが報告されているが、他のアルトコインについては、「地理的な親和性」「Binance効果」「コインベース効果」などがクラスターの形成に影響を与えていることが指摘されている。

「地理的な親和性」には、「仮想通貨を発行しているプロジェクトがどの地域を拠点としているか」または「投資家群がどの地域にいるか」などの特徴がクラスターの形成に影響を与えている可能性が指摘されており、「Binance効果」や「コインベース効果」については、これら大手取引所に「その銘柄が上場されているかどうか」という点がクラスターの形成に影響を与えていることが指摘されている。

また,この調査結果では、BitcoinやEthereum(ETH)といった主要銘柄では、その時価総額の変化に高い相関性が確認されている一方で、Ripple(XRP)については高い相関性が確認されていない様子も報告されている。

銘柄同士の相関関係は、分散投資を行う上で、ポートフォリオの構成を考える際に注目されることも多い。

また、多種多様な仮想通貨が存在している中で、プロジェクトが拠点としている地域によってクラスターが形成されることや、大手取引所への上場有無によってクラスターが形成されるなど、「銘柄の特徴」に応じて仮想通貨同士がクラスターを形成するという結果は非常に興味深い。

仮想通貨は“ボーダーレスな通貨”として機能することも期待されている反面、地域の偏りが見られるといった現象は、通貨というものの本質的な部分を表しているのかもしれない。