BTC暴騰の裏で仮想通貨取引所BiteBTC再びアクセス不能に、よぎる元旦の悪夢
火災事故で顧客情報を消失した事件が記憶に新しい仮想通貨取引所BiteBTCに再び不穏な空気が漂っている。今月2日から突如サイトが接続困難になり、事実上のサービス停止状態に陥っている。そして、その状態が2日にわたって続いているのだ。
同取引所のTwitter公式アカウントは新データセンターへの移行作業に伴うメンテナンスだと発表したが、不信感を募らせたユーザーからは多数の批判が集まる事態となっている。
#BiteBTC Exchange is under the maintenance. We're moving to a new data-center. All fiat and crypto balances are in safe. Thank you for understanding!
— BiteBTC (@bitebtccom) April 2, 2019
BTC暴騰と同タイミング、事前予告もなく
同取引所では1月、実施時期は明言していなかったものの分散データセンターの構築に1,000万ドルを投資する計画を発表しており、今回の事象がデータセンター移行作業によるものだとする主張と符合する。しかし、批判ツイートを見てみると、それでも多くのユーザーが不信感を抱いているのには訳があるようだ。
ひとつは、今回のメンテナンスは事前の予告がされていなかったという点が挙げられる。サービスの停止を伴うような大掛かりな移行作業であるならば、事前に予告するのが通常ではないかという意見だ。
そしてもう一つは、今回の事象が発生したタイミングだ。4月2日はちょうどBTC相場が爆発的に暴騰したタイミングと重なる。取引や入出金が激増したことで、本来は十分に確保されているべきフィアットや仮想通貨が不足したのではないかと勘繰るユーザーもいるのだ。
しかも、BiteBTCには今年の元旦に火災事故によって顧客情報を消失した前科もある。その際も、火災を発表したのはサイトが接続できなくなってから2日が経過してからだった。そうした不信感が背景にあってか、Twitter上では同取引所を「SCAMだ」を断じて糾弾するTweetが相次ぐ事態となっている。
同取引所にはNANJCOIN、SanDeGo、KIZUNACOIN、Kotoなどの国産仮想通貨も数多く上場しており、日本語によるコメントも散見される。
「ほら、また出口詐欺だ」(英文)
「詐欺師め、恥を知れ!」(英文)
「事象火災被害とか?いきなりアクセス不能 やはり胡散臭い」(日本語、原文ママ)
一方で、冷静に情報提供を求める指摘もある。
「一部のコメントは過剰だと思いますが、あなた方(BiteBTC)がTwitterで作業の進捗状況を発表すれば、こうしたコメントは緩和されるのではないでしょうか。」(英文)
今回のサービス停止が新たなトラブルによるものなのか、それともBiteBTCが発表する通り新しいデータセンターへの移行作業によるものなのかは現時点では定かではない。しかしながら、BTC暴騰という最悪のタイミングでサービスが停止してしまったことで、多くのユーザーの不信感を呼び起こしてしまったことだけは確かなようだ。
4月4日14:00現在、BiteBTCは依然として接続困難な状態にあるが、追加の情報は発表されていない。