Coinbaseがイタリアのライセンスを取得
米国の大手仮想通貨取引所Coinbaseは、イタリアで仮想通貨プロバイダーとして運営するために必要となるOAM (Organismo Agenti e Mediatori=エージェントとメディエーター本体)から規制当局の承認を受けた事を明らかにした。
同取引所は、イタリア規制当局からの最新のライセンス取得により、ヨーロッパでの存在感を拡大。同ライセンスにより、同取引所はイタリア国内の顧客にサービスを提供し続けることが可能となった。OAMの要件は、海外仮想通貨会社がイタリア居住者にサービスを提供する前に厳格なマネーロンダリング(資金洗浄)防止措置を講じることを要求しており、同取引所の国際および事業開発担当副社長であるナナ・ムルゲサン(Nana Murugesan)氏は次のように述べている。
規制当局の承認を得たことは、イタリアの金融規制当局との緊密な協力と前向きな協力関係の証です。
Coinbaseが目指す欧州への展開
ヨーロッパ市場での足場を強化するためのCoinbaseの取り組みの一つとして同ライセンス取得に向けて動いている。
同取引所はより多くのヨーロッパ諸国で規制当局の承認を取得する意向であることを明らかにしている。最新の動向によりCoinbaseは、アイルランド、イギリス、イタリア、ドイツで運用ライセンスを保有。これらに加え、オランダ、スイス、スペイン、フランスで規制順守を求める予定であり、ムルゲサン氏は次のように語っている。
ヨーロッパやその他の地域で成長を続けるなか、強力な規制関係を維持することで、仮想通貨経済において最も信頼できる安全なプラットフォームを通じ、お客様が望む製品を市場に投入し続けることができます。
Coinbaseは仮想通貨界のアマゾンを目指す
Coinbaseは米国で最大の仮想通貨取引所であり続けているものの、他の国・地域に目を向けると、業界トップでありライバルのBinanceやFTXに後れを取っている感は否めない。
例えば…、BinanceはOAMからのオペレーティングライセンスも取得しているほか、NEXTMONEYの特集記事「仮想通貨取引所BinanceとFTXがドバイでライセンスを獲得」、「Binanceはバーレーン王国から完全な運用ライセンスを取得」でも報じているように、中東・ドバイとバーレーンで規制当局の承認を確保している。
2022年初めにCoinbaseのEMEA(※Europe, the Middle East and Africaの略で、ヨーロッパ、中東、アフリカ)の責任者であるギヨーム・チャテン(Guillaume Chatain)氏は、許可される限り市場で入手可能なすべての暗号資産を提供する意向であることを明らかにしている。このことからもわかるように、同取引所は、クリプトウィンターによる厳しさが一層増し、破産のうわさも流れるなか、依然として仮想通貨業界のアマゾンになることを望んでいる。