ヴィタリック・ブテリン氏、スケーラビリティの緊急の必要性の代わりにL2の重要性を主張

ヴィタリック・ブテリン氏がL2の重要性を主張

イーサリアム(Ethereum)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、イーサリアムネットワーク上のレイヤー2スケーリングソリューションの重要性を主張している。

ブテリン氏は、2021年の上海国際ブロックチェーンウィークでの講演で、スケーラビリティとロールアップの実装の緊急の必要性を述べた。同氏によると、分散化を維持しながらイーサリアムをスケーリングするための最も安全で持続可能な方法を促進するため、レイヤー2スケーリングソリューションが重要であるとの見解を示した。

同氏は先月の執筆記事で、イーサリアムブロックチェーンでのNFT(非代替トークン)の増加に触れており、レイヤー2スケーリングソリューションがNFTを助けるとの考えを記載している。すべてのNFTをレイヤー2ソリューションに移行することで、ガス料金の高さの問題を克服できると同時に、スケーラビリティの問題に対処するために、ブロックチェーンとNFTをレイヤー2ソリューションに移行するようアドバイスした。実際、NFTの盛り上がりが加速するにつれて、主流のブロックチェーンは過密状態になり、高い取引手数料や送金速度が極端に遅くなるなどの問題を引き起こしているのが現状だ。

また、レイヤー2ソリューションは最初のアップグレードである、ビーコンチェーン(Beacon Chain)のアップグレードを12月に控えており、イーサリアムのメインネットがビーコンチェーンのPoS(プルーフオブステーク)システムと統合され、2022年までにイーサリアムのプルーフオブワークが廃止することを目指している。また、2022年には、シャードチェーンを使用したイーサリアムスケーラビリティのマルチフェーズアップグレードであるシャーディング(Sharding)が予定されており、ネットワークの負荷が64の新しいチェーンに分散される。

一方でブテリン氏は、今後のスケーリングソリューションの重要性にも触れており、レイヤー1を処理するレイヤー2ソリューションであるロールアップをすることで、最大100倍のスケーラビリティの大幅な向上を可能にすると語っている。ロールアップは一連のオフチェーントランザクションであり、イーサリアム互換のスマートコントラクトに集約されるため、ユーザーはトランザクションを安全に行え、トランザクションはメインチェーンに集約される。