スペインの中央銀行が新ガイドラインを導入へ
スペインの中央銀行にあたるスペイン国立中央銀行(Banco de España)は、仮想通貨サービスプロバイダー向けの新しいガイドラインを導入した事が分かった。新ガイドラインは、マネーロンダリング防止(AML)規制への準拠を示すために銀行にサインアップする必要がある。
ここで述べられている仮想通貨サービスプロバイダーとは、取引や保管などの仮想通貨サービスを提供する個人または金融機関や銀行機関を指す。国内の他の行政機関に登録したかどうかに関係なく、全員が登録する必要があり、公式声明は、顧客がスペインにいない場合でも、地元の機関は登録する必要があると述べている。
さらに、個人および機関を代表する法人は、スペイン中央銀行に報告書を提出する必要があり、マネーロンダリング、テロ、およびその他の違法行為に対抗するために行われた具体的な取り組みを含める必要があるとのこと。さらに、文書には、コンプライアンスの実施を担当するすべての人のリスク分析および識別文書が含まれている必要があると定められている。
スペイン銀行が新しいVASPレジストリを公開
企業はオンラインでのみ登録するものの、個人は電子レジストリまたはメールなどの他のチャネルを介して登録しなければならない。
中央銀行は、データを分析し、潜在的なリスクを評価すると述べており、銀行はVASPのクライアントの種類、運用国、および運用量を考慮に入れるほか、取引関係の目的などの他の要因も考慮されるという。現地通信社ElPaísによると、NEXTMONEY6月21日付特集記事「スペインの議員グループがデジタルユーロの実施加速のための提案を提出」でも報じているように、中央銀行は2021年6月に仮想通貨サービスプロバイダーのレジストリを最初に発表。当時、銀行は、プロセスに関するさらなるガイドラインが後で提供されると述べていた。
今回の新ガイドラインにより、銀行の承認なしに事業を継続する企業もしくは個人は、厳しい罰則の対象となり、登録に失敗すると、1,160万ドル(約13億円)もの罰金が科せられる。
イノベーションと犯罪防止のバランス
スペインは、革新的な金融技術を許可する事と、違法行為の拡散を防ぐこととの間のバランスを確立しようとしている。
「スペイン規制当局が未登録での運用でHuobiとBybitに対して警告」で報じているように、スペインはCNMV(Comisión Nacional del Mercado de Valores=証券市場委員会)を通じて、12の仮想通貨関連企業に警告を発した。Huobi GlobalやBybitなどの仮想通貨取引所などは、同委員会への登録に失敗した場合、制裁の可能性があることを警告されている。CNMVは、これらの企業を禁止することはできなかったものの、特定の裁判所の措置により、これらの企業の運営が困難になると述べた。