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仮想通貨市場に「春」は到来するのか?|2019年のファンダメンタルまとめ・ビットコイン上昇について
仮想通貨のトレードや、実際に仮想通貨を送金や資産として使用しているユーザーには2018年の仮想通貨市場は「最悪の年」となった。しかし2019年、仮想通貨市場には期待できる要素や情報などのファンダメンタルが多く存在しているのも事実である。
さらに2018年から多くの著名人やアナリストらによってビットコインなどをはじめとする仮想通貨の予想がされており、どのように仮想通貨市場が変化していくのか分析していく。
著名人やアナリストによる分析
2018年のビットコイン暴落を的中させたアナリスト
まず初めに、これからの仮想通貨市場やビットコインの価格を分析している著名人やアナリストを振り返っていく。
最も有名なテクニカル分析などの情報をツイッターで報告し、2018年のビットコイン暴落を予想した元国際通貨基金(IMF)のエコノミストであるMark Dow(マーク・ダウ)氏は2018年12月27日、ビットコイン(BTC)の新たなテクニカル分析をツイッターで発表。
同氏は今回のビットコインの分析にて「(BTCの)チャートはまだ美しい。ベーコン(BTC)が少なくとも50にバウンスできない場合、仮想通貨暴落への本峰に悪い兆候である。そして黄色に線を突破した場合、BTCをこれまでの有しているホルダーまでもBTC市場から離れていく可能性があります。」と発言。
それより以前から2018年の暴落に際してショートポジションを続けていた同氏は、自身の公式ツイッターにて「今日はベーコン(BTC)ショートにさよならを言う。悲しい!」と発言していた。
世界最大仮想通貨取引所バイナンスのCEO
2017年の仮想通貨市場の急激な成長と、価格の暴騰とともに誕生し、現在では世界トップの仮想通貨取引所として君臨しているBinance(バイナンス)。
このバイナンスのCEOであるZhaoChanpeng(ジャオ・チャンポン/通称:CZ)氏は2018年年末の12月29日、米ブルームバーグのインタビューにて「仮想通貨の将来については確信がある」と答えた。この仮想通貨に前向きな姿勢と自身は次のような理由からであるようだ。
「仮想通貨のプロジェクトは今後も発展を続け、主流の採用を促進するだろう。様々なブロックチェーンでdAppsを開発することが、DLTとデジタル通貨の急速な普及にとって重要な要素となる可能性がある。この産業は実際にアプリケーションを構築する人々によって成長するだろう。」
さらに、仮想通貨市場にはこれからの成長に必ず必要である「規制」の問題がある。
同氏は規制について「私たちは明快さを求め、賢明な法的規制も求めています。イノベーションを妨げるものではなく、イノベーションを促進する規制を求めているのです。」と発言し、仮想通貨市場の発展には前向きな規制方針が必要であると自身の考えを述べている。
また、バイナンスは2018年の仮想通貨市場を振り返るブログとして「2018 Binance Year-End Review」を発表。冒頭では2018年の仮想通貨市場の次のように振り返っている。
- 2017年には、価格が上昇。
- 2017年の価格上昇後は多くのICOプロジェクトが、2018年に実施されると予想されていたが、実現しなかった。
- さまざまな取引所で多数のセキュリティ問題(ハッキング事件など)が発生した。
- 世界中の多くの国々において、規制の不確実性が業界の進歩を遅せた。
- 私たちは未成熟の市場なのに団結できていなかった。
それはプロジェクト同士や、人々間、そして仮想通貨を暴落させた愚かなフォーク戦争などである。
2019年の仮想通貨に関する情報
冒頭でも説明したように2018年には、ビットコインをはじめとする仮想通貨市場全体が大きな暴落を引き起こした。
その要因はいくつか予想されており、2014年の当時のレートにおける約75万BTC(480億円)のうち、約28億円の仮想通貨がハッキングされ、それらの仮想通貨をMt.GOX(マウントゴックス)が大量売却。
世界最大のステーブルコインを取り扱うテザー社のUSDTに裏付けされている米ドルが、実際は保有していないのではないかとされるレポートと、それを否定する証拠の不十分さ。そして2018年11月の最大の暴落を引き起こしたビットコインキャッシュ(BCH)のハッシュ戦争が挙げられている。
しかし2019年、仮想通貨市場の未来は明るくなるかもしれないのだ。
バイナンスによる独自ブロックチェーンとDEX
先ほどのバイナンスCEOによる「仮想通貨の将来については確信がある」に発言の革新的な部分には、同取引所が予定している次のサービスや技術が関係するのかもしれない。
バイナンスがこれから注目されているのは、もちろん独自ブロックチェーン「Binance Chain(バイナンスチェーン)」と、その独自チェーンを使用した分散型取引所(DEX)「Binance DEX」である。
同取引所は2018年12月4日、公式ツイッターにてバイナンスの独自ブロックチェーン「Binance Chain(バイナンスチェーン)」の準備がもうすぐ整うことを発表し、以前からバイナンスチェーンを使用した分散型取引所(DEX)のスタートを予定していたが、2019年初頭にリリースされることが「Binance DEX Preview 2」のYouTube動画の説明欄で発表されている。
バイナンスの注目度の信用性は世界各国の仮想通貨ユーザーから注目が集まっており、「Binance Chain(バイナンスチェーン)」の完成によって、仮想通貨市場で現在、衰退しているICO(イニシャルコインオファリング)の分野が成長する可能性を秘めている。
ビットコイン先物取引
2017年年末のビットコインをはじめとする仮想通貨市場の暴落を目の当たりにした投資家やユーザーは多いでしょう。
その際の仮想通貨急騰のきっかけになったとされている出来事が、2017年の12月、シカゴマーカンタイル取引所(CME)とシカゴオプション取引所(CBOE)が、ビットコイン先物を導入。このビットコイン先物のサービススタートと同時期に、仮想通貨市場の価格は大きな上昇を見せる形となった。
そして2019年第1四半期、ビットコイン先物を2018年12月に予定し、2019年年初にその予定を延長したBakkt(バクト)。そしてニューヨーク証券取引所(NYSE)に続き、世界の証券取引所2位のナスダック(NASDAQ)が、2019年前半にはビットコイン先物取引をスタートすると発言した。
これらのビットコイン先物の導入では、ビットコインなどの仮想通貨市場へ大量に資金流入が考えられており、実際に仮想通貨の参入について傍観している投資家の資産総額は約100億円を越えると調査結果が出ている。
これらの資金が仮想通貨市場に大量に流入することになれば、仮想通貨市場は長い冬の季節を抜け出せるかもしれない。
ビットコインETF
そして、仮想通貨市場で最も注目されているのはシカゴオプション取引所(Cboe)が現在、米証券取引所(SEC)に申請しているビットコインETF「VanEck SolidX Bitcoin Trust」である。
シカゴオプション取引所(Cboe)は2018年6月20日、SECにビットコインETFの申請を提出。それから何度も延期を繰り返し行われがSECは、「2019年2月27日」に最終となる延期および、申請の受理、却下を発表することを決定した。
ビットコインETFには様々な種類が存在しているが、CboeのビットコインETFは現物によって投資信託が行われ、最低取引単価が「20万米ドル」に設定。これにより、仮想通貨市場に参入していない大手個人投資家や機関投資家などの高い信金力を持つ投資家の参入が期待されている。
イーサリアム(ETH)の大型アップデート
2019年に突入し、時価総額2位に返り咲いた仮想通貨イーサリアム(ETH)がこれまで使用していたアルゴリズムをPoW(プルーフオブワークス)からPoS(プルーフオブステークス)へと移行する。
この大型アップグレードは4段階で完全移行することを予定しているが、その第3段階となる「Constantinople(コンスタンティノープル)」が2019年1月に予定されている。
コンスタンティノープルのハードフォークは2018年10月14日、ハードフォークのテストを行なった際にコンセンサスに問題が生じているとして「Ropstep」が使用できないことを公式ツイッターにて発表。2019年1月に完了することが予定されている。
さらに、最終段階のアップデート「セレニティ」が2019年夏頃を予定にアップデートが進められている。このファンダメンタルとイサーリアムのPoSへの完全移行はICO(イニシャルコインオファリング)で使用されてきたETHの需要をさらに加速させることに繋がる。