マウントゴックス事件が仮想通貨市場を左右する
マウントゴックス(MTGOX)は2010年からビットコインの事業を開始し、2011年にはTibane社を経営していたマウントゴックス事件の被告人になるマルク・カルプレスに買収されました。
その後、2013年には世界のビットコイン取引量の70%を占めるほどの取引所にまで成長しています。
しかし、2014年に仮想通貨の取引を行なっている人なら必ず知っている「マウントGOX事件」が発生します。当時のレートにおける約75万BTC(480億円)を顧客が預けており、その内の約28億円が消失しました。
さらに今年の3月上旬、数ヶ月間の間に約429億円ものビットコイン・ビットコインキャッシュを売却したとしてマウントゴックスが再注目を浴びることになりました。
今年に入りビットコインを中心とした仮想通貨の価格が暴落し、仮想通貨取引を行なっている大勢のユーザーが損失を出しています。
海外コミュニティでは、有志でマウントゴックスのビットコインアドレスから売却日を特定し、チャートを作成したユーザーがおり、今回の暴落の原因はマウントゴックスがビットコインを売却したことによるものではないかと大きな話題になりました。
仮想通貨の取引を行う上でマウントゴックスとは切っても切れない縁にあるのかもしれません。
このような事件の背景にはマウントゴックス事件によって損益を出したユーザーが数え切れないほどいます。
福岡弁護士のチームは「Mt.GOX Creditors」なるサイトを開設し、マウントゴックスの民事再生手続きへの移行に向けた上申書の提出をBTC債権者に呼びかけはじめました。
上申書はすでに約200人もの債権者が提出し、東京地裁に報告済みだそうです。このように再生案の同意を集めることが、民事再生への移行を進める近道であり、唯一の手段になります。
現状の手続きは破産法が適用されており、この手続きでは東京地裁とマウントゴックス管財人による取り決めにより原告の投資家やユーザーは事件当初である2014年破産当時の1BTCあたり450ドルしか受け取ることができなくなります。
上申書が今後、同意を求めることができ民事再生が可能になれば、マウントゴックス事件の被害者の不満は解消し、マウントゴックスという言葉のイメージも改善されるかもしれません。
冷え込んでいた相場が回復しつつあった中で、藪をつついて蛇を出す格好になりました。
仮想通貨全体の時価総額が戻り始め、昨年のGW明けの全体的な暴騰が今年も再現されるかという期待感が市場に漂ってはいましたが、このFUDの潜在的な影響力は強いことが分かります。
しかし、この売り圧力の解消はもう目前に迫っており、6月からの民事再生が1つのキッカケになる可能性は高いでしょう。
最近はFUDニュースが目立ちますが、それはあくまで短期的な下落を引き起こすだけであり、長期的な期待は膨らむばかりです。