フィリピンで仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)が無許可営業で告発される

フィリピン当局が仮想通貨取引所ジェミニを無許可営業で告発

フィリピンの規制当局は、国内でのデリバティブ取引所の無許可運営を巡り、キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏とタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)兄弟が設立した仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)は2023年5月18日(木曜日)、無許可で営業したとして、警告通知を発行された事が分かった。

ブルームバーグの報道によると、フィリピンSEC(フィリピン証券取引委員会)は、国内の管轄区域の1つでの無許可事業を巡り同社を叱責(しっせき)。SEC(米国証券取引委員会)が厳格な執行姿勢を続けるなかで、今回の警告は米国仮想通貨市場ビジネスに対する懸念リストをさらに増大させる事となった。

ジェミニではデリバティブ取引商品を発売したばかり

報告書によるとジェミニは、フィリピンSEC当局者らは、ジェミニが適切な許可なく運営されていると主張。同取引所は登録することなく、フィリピンのデリバティブ取引所を通じて有価証券の提供や販売を行っていたとして2023年5月18日(水曜日)、デリバティブ取引所の不正運営を巡り警告通知を発行された。

ジェミニでは、デリバティブ取引商品を2023年5月1日(月曜日)に発売したばかりであったものの、フィリピンの法律では、デリバティブは有価証券扱いの位置づけとなっている。そのためフィリピンSECは、新製品への投資に対して国民に警告し、既存の投資を中止するよう提案。今回の警告は、1カ月前にデリバティブ取引所を立ち上げたジェミニにとって大きな障壁となっており、通知には次のように記載されている。

同デリバティブ取引所には、一般からの投資・斡旋を勧誘、受け入れ、有価証券を発行したりするために必要なライセンスや権限がありません。

フィリピンの証券規制に違反すると、刑事訴追を含む厳しい罰則が科される可能性があり、有罪判決を受けた場合、最高21年の懲役刑または最高500万ペソ(約1,250万円)にのぼる罰金が科せられる。ジェミニに対するフィリピンSECの行動は、単独の事件ではなく、他国の規制当局も、仮想通貨業界における取引所の活動に対応して同様の措置を講じているだけに、今後の規制当局による仮想通貨取引所への対応が注目されている。

フィリピンSECが米国のSECを引用

今回の警告でフィリピンSECは、執行措置に関する声明の中で、米国SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の発言を引用している。

ゲンスラー氏の引用は、Gemini Earnプログラムに関する声明の一部であり、仮想通貨プラットフォームが確立された証券法を遵守する必要性を強調。コンプライアンスは任意ではなく、投資家を保護し信頼を築くための法的要件であると指摘している。

フィリピンの状況は、重大な法的問題をさらに深刻にしており、2022年、CFTC(米国商品先物取引委員会)はジェミニに対し、ビットコイン(Bitcoin/BTC)先物承認に関連した協議中、規制当局に虚偽の情報を提供したと主張し、訴えている。

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