テザーがテンゲ連動型ステーブルコイン発行へ向けた覚書を締結
世界最大のステーブルコインUSDTの発行元であるテザー(Tether)社は、カザフスタン国立銀行およびアラタウ市当局との間で、同国の法定通貨テンゲ(teñge)に連動するステーブルコインの検討や、現実資産(RWA)のトークン化に関する覚書(MoU)を締結した。
Tether Signs MoU with the National Bank of Kazakhstan and the Alatau City Authority to Explore Stablecoin Use Cases and Asset Tokenization Learn more: https://t.co/99Cwo0yiBj
— Tether (@tether) October 7, 2026
テザー、カザフスタン国立銀行およびアラタウ市当局とMoUを締結し、ステーブルコインのユースケースと資産トークン化の可能性を探る
今回の提携は、バイナンス(Binance)に続く形で中央アジアの暗号資産ハブを目指すカザフスタンの取り組みに新たな進展を加えるものとなっている。
テンゲ連動型ステーブルコインと試験運用計画
今回の合意における主軸の一つが、カザフスタンの通貨テンゲにペッグ=連動したステーブルコインの実現だ。
関係各所は他国での発行事例を調査した上で、コンセプトやパイロット運用に向けた提案を策定する方針だが、現時点で具体的な発行日や商業的な発行主体などは公表されていない。
カザフスタン国内ではすでにデジタル資産を対象とした法規制や実証実験の基盤が整えられており、中央銀行の規制サンドボックス制度のもとでは、2025年9月にソラナ(Solana)やマスターカード(Mastercard)等の支援を受けたテンゲ建てステーブルコイン「Evo」の試験運用が開始されていた。今回のテザー社との覚書が既存の取り組みにどう影響するかについては明記されていないものの、中央銀行のビヌル・ジャレノフ(Binur Zhalenov)副総裁は、金融の安定性、透明性、および投資家保護を最優先事項として国際的なベストプラクティスを研究する意向を示している。
アラタウ市を舞台にした現実資産(RWA)のトークン化
もう一つの大きな柱が、不動産や債券といった現実世界の資産をブロックチェーン上でデジタル・トークンとして記録する「資産のトークン化」だ。このプロジェクトでは、テザー社が提供するトークン化プラットフォームHadron(ハドロン)が活用される予定となっている。
パイロット運用は、アルマトイ地域にスマートシティとして開発が進められている「アラタウ」の管轄区域内で行われる。アラタウはドバイやシンガポールの制度を一部モデルにした特別な法的枠組みや独自の経済特区としての地位を有しており、カシム・ジョマルト・トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領のもと、中央アジアにおけるフィンテックやデジタルイノベーションのハブとしてゼロから開発されている。
今後の展望と行政の取り組み
法的な拘束力を持つ契約というよりも協力関係の合意を意味する今回の覚書には、ステーブルコインの発行、準備金管理、トークン化に関する中央銀行および政府職員向けの継続的なワークショップや研修セッションの開催も含まれている。
テザー社のパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は、デジタル資産が国家レベルの金融インフラへと移行するなかで、カザフスタンがトークン化や戦略的準備金枠組みの検討に向けて慎重かつ将来を見据えたアプローチをとっていると評価している。
























