イーサリアム、GlamsterdamアップグレードのSepoliaテストを開始――2億ガスブロックで容量大幅増へ

イーサリアムがGlamsterdamアップグレードのSepoliaテストを開始

イーサリアム(Ethereum)は、L1(レイヤー1)のスケーリング(拡張)を大きく前進させる次期大型アップグレードGlamsterdam(グラムステルダム)に向け、テストネットSepolia(セポリア)での本格的な検証段階に入った。

今回のテストでは、ブロックのガス上限を従来の3倍以上となる「2億ガス」へと引き上げ、ネットワークの処理能力の大幅な向上やブロック構築方法の変革に向けた検証が進められている。

Sepoliaテストネットでの2億ガス制限テストの概要

イーサリアムのコミュニティ貢献者によると、Glamsterdamアップグレードは協定世界時(UTC)の10月6日午後1時53分にSepoliaテストネット上で稼働を開始。これに先立ち、ノードオペレーターは実行クライアントとコンセンサスクライアント双方のアップデートを実施している。

このテストの最大の特徴は、ブロックのガス上限(ガスリミット)をこれまでの約6,000万から2億へと大幅に引き上げた点にある。これによって、バリデータ(検証者)がハードウェアやネットワークに過度な負荷をかけることなく、より大容量のブロックを安全に処理・検証できるかどうかが確認されている。

直ちにメインネットの仕様が変更されるわけではないものの、開発者らは公開環境におけるクライアントの動作を慎重に監視している。

ガス上限引き上げの意義とブロック構築の変革

「ガス」とは、イーサリアム上でトランザクションやスマートコントラクトを実行するために必要な計算処理量を指す単位だ。ブロック内のガス上限が高まることで、限られたスペースを巡るユーザー間の競争が緩和され、1つのブロックにより多くのスワップ、ステーブルコイン送金、スマートコントラクトの実行を収めることが可能になる。

さらにGlamsterdamでは、ネットワークの処理効率を根本から改善するため、主に以下の2つのアーキテクチャー上の変更が導入される。

ePBS(プロポーザー・ビルダー分離のプロトコル組み込み / EIP-7732)
ブロックを提案するバリデータと、実行ペイロードを組み立てるビルダーの役割を分離し、コンセンサス検証と実行検証を切り離す仕組みだ。これにより、バリデータが実行ペイロードを検証するための十分な時間を確保できるようになる。
ブロックレベルのアクセスリスト(BAL / EIP-7928)
ブロック作成時にアクセスされるアカウントやストレージの場所、および状態変化の履歴を事前に記録する仕組みだ。クライアントはこの情報を基にデータを並列読み込みし、独立したトランザクションを同時実行することで、効率的な状態ルートの計算を実現する。

また、EIP-8037の導入に伴い状態生成に紐づいた個別の料金体系が導入されるなど、ガス料金体系の一部変更も予定されている。これに伴い、既存のウォレットやガスツール側での前提条件の見直しが必要になると指摘されている。

今後のロードマップ:Hoodiテストネットから次期Hegotáへ

Sepoliaでのテスト結果は、次期テストネット「Hoodi」の稼働開始日を決定する上で重要な判断材料となる。すべてのテストと検証プロセスを無事に完了した上で、最終的なメインネットへの実装日が決定される見通しだ。

さらに、Glamsterdamの先を見据えた動きとして、2027年に予定されている大型アップグレードHegotá(ヘゴタ)に向けた検討もすでに始まっている。Hegotáでは、トランザクションの承認・実行・手数料支払いを分離してガス代の肩代わりなどを可能にするフレーム・トランザクション(EIP-8141)をはじめ、プライバシー機能の強化や検閲耐性の向上といった多数の提案が議論の対象となっている。

レイヤー1のスケーリング強化を着実に推し進めるイーサリアムは、今回のGlamsterdamによるテストを通じて、次世代のブロックチェーン活用を支える堅牢なインフラ構築へと着実に歩みを進めている。

 

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