ロシア中央銀行総裁が金融システムにはCBDCが必要と発言

デジタル・ルーブルのプロトタイプが今年にも発売か

ロシア連邦中央銀行のエルヴィラ・ナビウリナ(Elvira Nabiullina)総裁は、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)を創設するという国の決定について、そのメリットがすでに認識されているためだと発言していることが分かった。

CNBC「The digital rouble is a difficult technological and legal project, says Russia’s central bank chief」より動画引用

CNBC のインタビューで、同銀行総裁は、ロシアは今年末までにデジタル・ルーブルのプロトタイプ(※テスト版を意味する)の展開を目指していると語った。同銀行総裁によると、デジタル・ルーブルに関する協議書は2021年10月に発行され、2020年にCBDCの試験運用を計画していると明かしている。さらに同総裁は、デジタル通貨が金融システムの未来になると強く信じており、高速で安価な支払いシステムに対する大きなニーズをCBDC がギャップを埋められることがで切ると述べた。

ただし、中央銀行の総裁は、異なる中央銀行が独自に開発したCBDCを使用した国境を越えた支払いについては課題があると予測しており、次のように語っている。

各銀行が独自のシステム、ローカル標準の技術システムを作成する場合、これらのシステム間の相互接続を作成し、すべての国境を越えた支払いを容易にすることは非常に困難です。


米国による永続的な制裁のリスク

ロシア連邦中央銀行のナビウリナ総裁は、米国による制裁の永続的なリスクと、そのリスクを管理するための政策がどのように形成されるかについても同インタビューの中で議論している。

米国は、選挙への干渉や多数のサイバー攻撃を理由に、長年にわたりロシアに制裁を課してきた。同総裁は仮想通貨について、匿名性と透明性の欠如によるマネーロンダリング(資金洗浄)など、仮想通貨にはいくつかのリスクがあると考えていると語った。今年1月まで、ロシアでは仮想通貨は違法であった。同国は以前、マネーロンダリング防止規制の下で、仮想通貨を犯罪と見なして、すべての活動を禁止していた。最近になって禁止は解除されたものの、国内での支払いに仮想通貨を使用することは現在も許可されていない。