ポルシェ、Web3プロジェクトを4年足らずで終了へ

ポルシェ、Web3プロジェクトを4年足らずで終了へ

高級スポーツカーメーカーのポルシェ(Porsche)は、同社の名車「911」をモチーフにしたNFT(非代替性トークン)プロジェクトおよびコミュニティ「PIONΞERS CIRCLE(パイオニアーズ・サークル)」を終了することを発表した。

日本語訳:
本日、ポルシェWeb3プロジェクトとPIONΞERS CIRCLEの終了を発表いたします。ポルシェの精神とデジタル世界を結びつける新たな方法を模索することから始まったこのプロジェクトは、単なる技術イニシアチブにとどまらず、はるかに大きなものへと発展しました。過去…

2023年1月の始動から約4年足らずでの幕引きとなり、かつて熱狂を生んだ同社のWeb3への挑戦は大きな転換点を迎えた。ポルシェのWeb3参入は、2022年12月にマイアミで開催された「アート・バーゼル」で華々しく発表された。当初は7,500個のNFT発行を計画し、購入者は「パフォーマンス」「ヘリテージ」「ライフスタイル」の3つのデザインから好みの方向性を選択できる仕組みが用意されていた。

しかし、ミント(発行)が開始されると、価格設定や実用性に対する批判などのフィードバックが相次ぎ、混乱を収束させるため、ポルシェは供給量を大幅に削減し、最終的な発行数は2,363個にとどまる結果となった。

発売当初、1ミントあたり0.911 ETHの約1,400ドル(約22万円)だった価格は、一時は3 ETH超の約5,100ドル(約80万円)の最高値を記録。しかしその後は取引が低調に推移し、現在のフロア価格はわずか0.077 ETHの約200ドル(約31,600円)前後へと急落。これは初期ミント価格を大幅に下回る水準となっている。

デジタルとリアルを繋いだコミュニティの軌跡

価格の下落とは裏腹に、PIONΞERS CIRCLEは単なるデジタルアートの売買を超えた独自のコミュニティへと発展していった。

NFT保有者には、専用のオンラインDiscordサーバーを通じた活発な交流だけでなく、サーキットイベントやポルシェのモータースポーツ活動に関連するリアルな体験へのアクセス権が提供された。一部のメンバーはコミュニティ・アンバサダーとしてプロジェクトチームと連携し、アイデアの共有や将来的なWeb3体験の形成に貢献した。

ポルシェは終了にあたり、プロジェクトの具体的な理由を明言していないものの、実験の場であり「共に歩む冒険」であったと振り返り、参加者へ深い感謝の意を表している。

終了後のデジタル資産の行方と今後の展望

プロジェクトの公式な運用は終了しますが、既存の「PORSCHΞ 911 NFT」がブロックチェーン上から削除されることはありません。デジタルアート作品は各保有者のウォレット内に残り続けます。

また、コミュニティの拠点であったDiscordサーバーは閉鎖ではなく「読み取り専用」のアーカイブへと移行され、これまでの歴史や議論の記録は保存される。一方で、公式Xアカウント(@eth_porsche)での積極的な情報発信は停止されることとなった。

今回の決定の背景には、近年の同社を取り巻く厳しい事業環境の変化も指摘されている。業績不振によるドイツDAX指数からの除外、電気自動車(EV)生産計画の縮小、大規模な人員削減計画の報道、そして中国市場での納車台数急減など、ポルシェは経営戦略の再構築を迫られている。

ポルシェは声明の中で、「この旅路が終わりを迎える一方で、ポルシェは進化を続け、新たな機会に適応しながら、独自のやり方で未来を形作っていきます」と締めくくっており、今後はコア事業や変化する市場環境への適応に注力していく方針を示している。

 

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