オランダ中央銀行がバイビットに240万ドルの罰金科す
DNB(Dutch Central Bank:オランダ中央銀行)は、義務的な登録なしにオランダで仮想通貨サービスを提供したとしてバイビット(Bybit)に220万ユーロ(約3.6億円)の罰金を科した事がわかった。
オランダの中央銀行であるオランダ中央銀行は、必要な登録なしに国内で仮想通貨サービスを提供し、マネーロンダリング(資金洗浄)とテロ資金供与と戦うための規制に違反したとして、バイビットに220万ユーロの罰金を科した。2024年10月22日(火曜日)に科されたこの罰金は、マネーロンダリング防止およびテロ資金供与防止法で義務付けられているDNBへの登録をバイビットが怠ったことに起因。同法では、不正な資金の流れを監視および防止するために仮想通貨サービスプロバイダーの登録が義務付けられており、登録要件は、仮想通貨取引、特に匿名性の可能性に伴うリスクの高まりに対応して、2020年5月に導入されたものだ。
DNBによると、バイビットの不遵守は規制目的に違反しただけでなく、疑わしい取引を監視および報告する同社の能力を制限したと指摘したうえで、次のように語っている。
バイビットは、不遵守期間中に異常な取引をオランダ金融情報ユニットに報告できなかった。
バイビットの是正努力により罰金は減額
DNBは、バイビットの不遵守の重大性、範囲、期間を考慮して罰金を決定したが、同社の状況是正努力により罰金は減額された事を明らかにした。
同取引所はオランダの顧客を現地パートナーのSATOS B.V.社に移管し、それ以降、SATOS仮想資産サービスプロバイダーライセンスの下で運営。DNBの声明を受けて、バイビットは罰金を認め、コンプライアンスへの取り組みを改めて表明した。公式発表では、取引所は2022年に「潜在的な経済的損害を最小限に抑える」ための是正努力を開始したことを強調。バイビットのベン・ジョウ(Ben Zhou)共同創業者兼CEO(最高経営責任者)は、同社の「責任ある成長」への取り組みを強調したうえで、次のように述べている。
責任ある透明性の高いエコシステムの構築に向けて欧州の規制当局と緊密に協力していきます。
オランダ中央銀行による今回の罰金は、財務省が仮想通貨の税制を厳格化し、デジタル資産の所有の透明性を高めるための規制枠組み案に関する協議を開始したタイミングで課されたものだ。2026年1月1日に発効予定の法案草案では、仮想通貨サービスプロバイダーはオランダ税務当局に提出するユーザーデータを収集して検証することが義務付けられる。特に、これらの税制は、EU(押収連合)加盟国全体の仮想通貨プロバイダーが合理化された単一国報告を可能にする欧州連合のDAC8指令と一致しており、コンプライアンスを簡素化し、管理上の負担を軽減する。