Intelが新ビットコインASICマイニングプロセッサ、BonanzaMineの発売を正式に発表

Intelが新ビットコインASICマイニングプロセッサを発表

米国・カリフォルニア州に本社を置く半導体素子メーカーのIntel(インテル)は、ISSCC(International Solid-State Circuits Conference=仮想IEEE 2022国際固体回路会議)で、BitfuryBitmainCanaanのマイニングマシンと競合する新しいマイニング特定用途向け集積回路(ASIC)BonanzaMineを発表したことが明らかになった。

Intelによると新しいASICは、従来のグラフィックスプロセッシングユニットよりも1000倍高速であることを売りにしているとのことだ。

Intelは、ISSCCカンファレンスでBonanzaMineを展示しており、これはスループットが40 THash、消費電力が3.6kWの300個のBonanzaMineASICで構成されているとのこと。さらに、Intelが発表するBonanzaMineは、ESG (※1)に対する懸念事項を考慮して開発されており、ラジャ・コドゥリ(Raja Koduri)上級責任者は次のように述べている。

責任を持って持続可能な形でオープンかつ安全なブロックチェーン・エコシステムを推進していきます。

(※1)ESGとは…
Environment=環境、Social=社会、Governance=ガバナンスの頭文字から取った造語であり、昨今、企業に対して求められる気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題を指している。

必要に応じた高いハッシュレートを実現するBonanzaMine

IntelによるとBonanzaMineは、必要に応じてより高いハッシュレートを実現することができ、2つの競合プレーヤーであるBitfuryClarkeやCanaanAvalonA9とほぼ同等の能力を発揮するとのこと。

実際、BonanzaMineは、47.7テラハッシュ/秒でテラハッシュあたり55ジュールを消費し、BitfuryClarkeは56J / THで40TH / sを実行でき、Canaan AvalonA9は58J / THで30TH / Sで、ほぼ同じスペックの数値だ。現在、BitmainのAntminerS19 Proが、市場で最も収益性の高いASICであるとされており、BonanzaMineはBitmainと同様に7ナノメートルのプロセスを使用して製造していると主張している。

また、BonanzaMineの主要な構成要素はデュアルSHA-256ハッシュエンジンであるため、ASICはビットコインマイニングを念頭に置いて設計されており、暗号化、ハッシュ技術、および低電圧回路におけるIntelの技術的が利用されている。BonanzaMineの詳しい発売日などは現時点では明らかにされていないが、新しいマイニングシステムのIntelの初期のクライアントには、Block(旧社名:Square)と、仮想通貨のスタートアップ企業であるGRIIDが含まれるとのこと。

一方で、NYSE(ニューヨーク証券取引所)へのSPAC上場も示唆されている仮想通貨マイニング企業GRIIDに関しては、供給契約を21年9月に締結し、BonanzaMineを提供する方針で合意に至っている。