CFTC、9億5000万ドルの仮想通貨・外国為替ポンジスキームでCash FXを提訴

CFTCが仮想通貨・外国為替ポンジスキームでCash FXを提訴

CFTC(米国商品先物取引委員会)は、Cash FX(キャッシュFX)グループS.A.やそのCEO(最高経営責任者)であるワスカル・ホセ・ロペス・カスティージョ(Huascar Jose Lopez Castillo)氏、Conversion Pros(コンバージョン・プロズ)社のロナルド・ポープ(Ronald Pope)CEO、およびプロモーターのジャスティン・ハラデー(Justin Halladay)氏らをフロリダ州中部地区連邦地方裁判所に提訴した。

訴状によると、被告らは外国為替取引を装ったMLM(マルチ商法)形式のポンジスキームを構築し、世界中から40万以上の顧客口座を通じて9億5,000万ドル(約1,500億円)以上の巨額の資金を集めていたとされている。米国内の6,000以上の口座だけでも少なくとも2,700万ドル(約42.6億円)が拠出されており、参加者は少なくとも4億600万ドル(約640.7億円)の深刻な損失を被った。

AIや独自アルゴリズムを悪用した手口と実態

被告らは参加者に対し、拠出金の70%をFX取引に充て、残りの30%を取引教育プログラムの資金にする旨を説明していた。さらに、プールされた資金は独自のアルゴリズムやAI(人工知能)を用いた専門トレーダーによって運用され、週あたり最大15%もの高い利回りを生み出すと宣伝していた。

しかし、CFTCの調査により、AI取引システムや独自のプログラムは実際には一度も稼働しておらず、行われた外国為替取引はごくわずかであったことが判明した。参加者から集めた資金の大部分は不正に流用され、新規参加者からの拠出金が以前の参加者への配当として支払われる典型的な自転車操業に充てられていた。

また、実際には利益が出ていないにもかかわらず、虚偽の口座明細書を発行して投資家を信用させ続けていた疑いも持たれている。資金の移動には仮想通貨ウォレットも悪用されていたという。

各国規制当局による度重なる警告と類似事例

Cash FXに対しては、米国での今回の大規模な訴訟提起よりも遥か前から、国内外の複数の規制当局が危険性を察知し警告を発している。

FCA(英国金融行動監視機構):
2019年12月、英国で規制対象の金融サービスを提供する認可を受けていないとして警告。
パナマ証券市場監督庁:
2020年9月、証券市場活動を行うための免許や登録を一切取得していないと発表。
その他:
バハマ証券委員会やブリティッシュコロンビア州の規制当局も、同社を無登録のマルチレベルマーケティング企業として指摘。

また、CFTCによる類似のコモディティプール関連の摘発事例としては、自動暗号資産・外国為替取引に関する2億2800万ドル(約359.7億円)規模のEminiFX訴訟や、資金が説明通りに運用されなかったアブナー・ティノコ(Abner Tinoco)氏の事例、およびHighrise Advantageに対する法執行措置などが挙げられる。

CFTCの要求と投資家への教訓

CFTCの法執行局長であるデヴィッド・I・ミラー(David I. Miller)氏は、詐欺や市場操作から一般市民を保護する使命を強調し、悪質な行為に対して断固として対処する姿勢を示している。

今回の民事訴訟において、CFTCは被害を受けた参加者への賠償、不正利益の返還、民事制裁金、永久的な取引および登録の禁止、商品取引法違反に対する差止命令を裁判所に求めている。ただし、訴訟はまだ判決が出ておらず、最終的に投資家が回収できる金額は、残存する資産や規制当局による資金の追跡能力に依存することになる。

今回の事件は、異常に高いリターンとAIやトレーディングボットなどの最新技術を組み合わせた投資勧誘がいかに危険であるかを浮き彫りにしている。CFTCは投資家に対し、AIや自動取引システムへの言及は利益や取引の証明にはならないと改めて警告。プール型投資を評価する際は、内部で作られた口座残高ではなく、独立して検証可能な取引活動の実績、公式な登録状況、および明確な出金メカニズムを確認することが極めて重要であると指摘している。

 

ABOUTこの記事をかいた人

NEXT MONEY運営です。 「話題性・独自性・健全性」をモットーに情報発信しています。 読者の皆様が本当に望んでいる情報を 日々リサーチし「痒いところに手が届く」 そんなメディアを目指しています。