円ステーブルコイン発行のJPYC、シリーズBで3800万ドルを調達し国内決済ネットワークを拡大

JPYCがシリーズB資金調達で累計60億円を達成

日本円連動型ステーブルコインを手がける登録済み事業者のJPYCは、シリーズBラウンドでの追加資金調達を完了した。

今回の資金増強により同ラウンドの累計調達額は約60億円に拡大した。獲得した資金は、金融領域およびWeb3環境の拡充、ならびに国産ステーブルコインの市場浸透を加速させるための基盤強化に投じられる。追加出資者として、国内物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスが新たに参画。5月時点で発表されていた約50億円から10億円規模の積み増しとなり、大手実業グループとの連携を通じて、国内における規制準拠型デジタル通貨の信頼向上と利用シーン開拓が進む見通しだ。

投機から実業決済へ:物流ネットワークとの融合

今回の協業における最大の特徴は、仮想通貨取引などの投機的な利用にとどまらず、実際の産業現場での決済インフラ構築に焦点を当てている点だ。

AZ-COM丸和グループは、傘下の配送パートナーや業務委託先など約2,300社に及ぶネットワークを抱えており、これらの事業者や従業員に対する各種支払いにステーブルコインを導入する構想を掲げている。

商流・物流・金融決済をブロックチェーン上で密接に統合する「オンチェーン金融」の実現により、企業間の日常的な債権債務の精算や給与決済など、継続的かつ実用的な需要が創出される。保有ユーザー数や送金額の増加も後押しとなり、従来の取引所主導のマーケットから、事業活動に根ざした持続可能なネットワークへの移行が進みつつある。

日本のデジタル経済を支える次世代インフラへ

国内のステーブルコイン市場では、SBIによる「JPYSC」といった関連施策も広がりを見せており、法規制に準拠したエコシステム全体が着実に成熟期へ向かっている。

現在、JPYCのオンチェーン流通規模は1,850万ドル(29.3億円)規模だが、主要企業の参入や機関投資家からのバックアップにより、決済手段としての実用性は一層高まりを見せている。

投機目的のボラティリティに左右されないビジネス主導の利用基盤が形成されることで、円建てステーブルコインは日本のデジタル決済分野における中核的な役割を果たしていくと期待されており、今後の躍進が期待される。

 

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