独自の検証規則を廃止し仮想通貨市場の再開を後押し
ハンガリー議会は2026年7月28日(火曜日)、特定の仮想通貨取引に課していた第三者による検証義務を撤廃する法案T/305を、賛成143票、反対46票、棄権1票で可決した。
同国ではEU(欧州連合)共通の規制に加えて独自の取引承認が必要とされていたが、制度導入後には複数の事業者がサービスを停止。今回の撤廃により、規制を緩めながらMiCA(仮想通貨市場規則)を中心とする体制へ戻す道が開かれた。
取引ごとの第三者承認が市場を圧迫
撤廃されたバリデータ制度は、ハンガリーの2024年仮想通貨法に基づき導入され、2025年7月1日に発効した。対象となる仮想通貨と法定通貨の交換や仮想通貨同士の交換では、認可された現地バリデータの承認が取引前に必要だった。
バリデータは、仮想通貨の出所、ウォレットの所有権、顧客情報、取引履歴などを確認し、コンプライアンス宣言を発行する役割を担っていた。必要な証明を受けていない取引は法的に無効とされ、無許可の交換サービスや承認手続きを経ない一部取引には刑事責任も設けられていた。
カルマン・アンドラーシュ(Kármán András)財務相は、以前の枠組みが国内の仮想通貨市場を混乱させ、複数の企業が事業を停止したと説明している。実際に、RevolutやCoinCash(コインキャッシュ)を含む事業者がサービスの停止や制限に追い込まれた。CoinCashもMiCA認可の取得準備を進めるため、2025年12月に自主的に事業を停止していた。
今回の法改正によって取引ごとの追加承認は不要になる一方、仮想通貨事業者に対するライセンス取得やコンプライアンス義務そのものは維持される。
初のMiCA認可を受けCoinCashも再開へ
規則撤廃に先立つ7月20日(月曜日)、MNB(ハンガリー国立銀行)はCoinCashの運営会社Tiwala Solutions(ティワラ・ソリューションズ)に対し、MiCAに基づく認可を付与した。同社によると、ハンガリー中央銀行からMiCA認可を直接取得した初の国内企業となる。
認可の対象には、仮想通貨の保管、仮想通貨と法定通貨の交換、仮想通貨同士の交換、資産移転、投資助言、ポートフォリオ管理が含まれる。CoinCashはサービスを段階的に再開し、取引以外のMiCA対象サービスにも事業を広げる方針だ。
ハンガリー独自の制度はMiCAに取引単位の承認を上乗せする形となり、EU法との整合性を巡って欧州連合の調査対象となっていた。規則の撤廃に対しては資金洗浄などへの懸念も示されているが、支持者はAML(マネーロンダリング対策)やKYC(顧客確認)を含む義務は引き続き維持されると主張している。
独自規制によって縮小した市場を、EU共通の枠組みの下で立て直せるか。今回の制度変更とCoinCashへの初認可は、ハンガリーの仮想通貨市場が再び動き始める転換点となりそうだ。























