香港警察が大規模マネーロンダリング作戦で400人以上を逮捕
香港警察は、6,500万ドル(約95億円)の大規模マネーロンダリング(資金洗浄)作戦で、15歳から82歳までの男性330人、女性128人の計458人を逮捕し、おとり捜査により、仮想通貨取引を利用して314もの犯罪の収益を流出させたトライアド管理の作戦が鎮圧された事が分かった。
報告書によると、総額のうち約1,500万ドル(約22億円)は現金引き出しと仮想通貨取引によるものとのこと。最新の報道によると、逮捕者らは、オンラインショッピング、求職活動、投資、電話、オンラインロマンス詐欺など、さまざまな金融犯罪に関与。香港警察によると、一部のマネーロンダリングシンジケートは一般の人々を騙して銀行口座を40ドルから200ドル(約5,800円~29,000円)で売り渡し、その資金をさまざまな計画の収益洗浄に使用。当局によると、2017年10月から2018年6月までの8カ月間で、この犯罪組織は現金引き出しや仮想通貨を通じて最大1,500万ドルを洗浄したという。
トライアドマネーロンダリング作戦で6,450万ドルの犯罪収益が流出
香港警察は、トライアドメンバーが管理する代理アカウントも発見した事が判明している。
8月25日付現地メディアの報道によると、最近の一連の逮捕は17日間にわたって発生。同期間中、香港警察は市内全域で400回の個別の家宅捜索で男性330人、女性128人を逮捕。容疑者には現地香港居住者だけではなく、中国本土などからの旅行者423人が含まれているとのこと。捜査の一環として、法執行機関は1,600万元(約3.2億円)以上を押収。
しかし、これは同社が処理した疑いのある4億7,000万元(約94.5億円)に比べれば微々たるものだ。中国現地メディアが報じた声明の中で、ルイ・チェホ(Lui Che-ho)上級警視は、逮捕された人々の多くが組織犯罪シンジケートに利用されていたと述べたうえで、次のように語っている。
犯罪組織は金銭的な報酬で彼らをマネーロンダリング活動に誘い込んだ。彼らはそれぞれ数百ドルから数千ドルを受け取ったが、違法資金の処理に使用された銀行口座の詳細を引き渡さなければならなかった。同グループは銀行口座から資金を引き出して汚金洗浄をし、その後、彼らはその現金を仮想通貨購入に使用した。
仮想通貨セクターを育成しながらマネーロンダリングと戦う香港
同上級警視のコメントは、マネーロンダリング組織が違法資金の痕跡を隠すために法定通貨を仮想通貨に交換することがよくあることを改めて浮き彫りにした。
世界中の規制当局は、仮想通貨を扱う企業に厳しいAML(マネーロンダリング防止)規則を課している。しかし、香港は仮想通貨セクターの育成も試みており、時には2つの目的が矛盾しているように見えることもある。例えば…、香港のAML規制では、銀行に対し、顧客に対してデューデリジェンスチェックを実施することが義務付けられている。しかし2023年6月、香港の金融規制当局は貸し手に書簡を送り、デューデリジェンスの手続きが仮想通貨ビジネスに「過度の負担」をかけるべきではないと強調。この介入は、AMLへの懸念を理由に仮想通貨企業を顧客として受け入れることに消極的な金融業者に圧力をかけた。
AML 規則が仮想通貨を扱う企業に課題を突きつけているのは香港だけではなく、ある報道では、調査対象となった全企業の3分の2がAML規制に違反する可能性について懸念を表明している。