バイナンスブラジルが元経済大臣をアドバイザーに採用
世界有数の仮想通貨取引所であるBinanceは、最新のアドバイザーチームを追加し、採用活動を強化していることが明らかになった。
ブラジルの現地新聞によると、取引量が世界最大のデジタル資産取引所であるBinanceは、ブラジルの元経済大臣であるヘンリケ・メイレレス(Henrique Meirelles)氏をアドバイザーとして採用したとのこと。同氏は2003年から2011年までBCB(Banco Central do Brasil=ブラジル中央銀行総裁)、2016年から2018年まで経済大臣を務めた経歴を持ち、豊富な知識を持ち合わせている人物とのこと。
世界中の規制当局に準拠する事を目指すBinance
知名度の高い元政府高官を雇うということは、Binanceが世界中の規制当局に準拠することにさらに真剣に取り組んでいることを意味しており、これまで以上に公的・法的な監視の目が厳しくなっていることを受けたものであるとみられている。
というのも、最近の報道で、FBI(Federal Bureau of Investigation=米国連邦検察局)が同取引所のジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙 長鵬)CEO(最高経営責任者)のマネーロンダリング(資金洗浄)データと通信に関連した情報を要求したことが明らかになった。この問題に詳しい関係者によると、同要請は、DOJ(Department of Justice=米国司法省)がBinanceの米国金融犯罪法の順守について現在も進めている調査の一部であったとのこと。実際Binanceは、NEXTMONEYの特集記事「Binanceがナイジェリアと提携してデジタル経済圏を構築」で報じているように、ドバイの仮想フリーゾーンに触発された仮想通貨に優しいデジタル都市の創設についてナイジェリア当局と協議中である。同都市は、仮想通貨に優しい法的枠組みと税制上の優遇措置を提供するドバイのフリーゾーンと同様に、西アフリカで初めてとなる予定だ。
最近、中南米地域での同社の存在感が強くなっており、ブラジル、アルゼンチン、メキシコは、猛烈なインフレが住民にパニックを引き起こしているなか、一部がデジタル資産に目を向けており、今後、これらの地域における市場競争熱は高まる事が予想されている。
Binanceは厳しい市況のなかで健全な資金保有をアピール
最近の仮想通貨市場の下落や投資家の連続的な流出にもかかわらず、同CEOは取引所には健全な軍資金があり、仮想通貨の冬は実際に企業が人を雇うのに適した時期であると断言している。
一方で、Binanceとは異なり、多くの大手仮想通貨プラットフォームは、厳しい時代の中でコスト削減のために従業員の一部を解雇(レイオフ)しており、中でも、Binanceと同規模とみられるCoinbaseは全従業員の18%をレイオフしている。
9月1日にBinanceは、「Binanceのジャオ・シャンポンCEO:中国企業ではないと断言」で報じているように、中国発祥の仮想通貨取引所と表現した記事の1つに激しく反論し、同CEOは、自分が30年以上前からカナダ国籍であることを付け加え、“中国企業”であることを否定している。