バイナンス(Binance)、市場暴落の経緯を説明と、ユーザーに返金

バイナンスが市場暴落の経緯と状況を説明

バイナンス(Binance)は、2025年10月10日(金曜日)の市場暴落を受け、影響を受けたユーザーに約2億8,300万ドル(約431.5億円)を返金したと発表した。

同社はまた、この状況は同日に発生した技術的な不具合が原因で、一部の仮想通貨の一時的な取引中断とペッグ解除が発生したことによるものだと説明したうえで、担保の清算、Earn商品、送金遅延の影響を受けたユーザーは、24時間以内に全額返金を受けたという。

12日(日曜日)に同社は声明を発表し、世界的な経済イベントが仮想通貨市場全体の大幅な売りを引き起こした後に発生した極端な価格変動について説明。この暴落により、トレーダーは複数のプラットフォームでパニック売りを起こし、最初の1時間で70億ドル(約1兆円)以上の清算が発生した。その結果、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、その他主要仮想通貨は急落し、USDEやBNSOLといった合成トークンはペッグを失う結果となった。

バイナンスは、この暴落によって影響を受けたユーザーに24時間以内に補償し、その後、プラットフォームが全体的な下落に与えた影響は軽微であると判断したと発表し、次のように述べた。

バイナンスプラットフォームによって処理された強制清算量は、総取引量に占める割合が比較的低く、この変動は主に市場全体の状況によって引き起こされたことを示しています。


バイナンスは急激な価格下落に対応

担保清算によって資金を失った顧客には全額が返金され、内部送金やEarn商品の、償還遅延の影響を受けた顧客にも返金される。

Binanceは、USDE、BNSOL、WBETHに連動するEarn商品のペッグ解除の影響を受けたユーザーに、合計2億8,300万ドルを支払い、ペッグの混乱が原因ではなく、ペッグの混乱が発生する前に発生したことを明らかにし、声明の中で次のように記載している。

市場の急激な下落はデペッグ前に発生しました。記録によると、市場の売り圧力の際、価格は2025年10月10日21時20分から21時21分(UTC)の間に最低値まで下落し、一方、深刻なデペッグは同日21時36分(UTC)以降に発生しました。

さらに、一部のスポット取引ペアにおける急激な価格下落についても懸念が寄せられている。同社は調査を実施した結果、買い注文が非常に少なかった売り圧力の際、2019年までさかのぼる古い指値注文が発動されたことが原因であることが明らかになったと主張。そのため、一部のトークン価格が一時的に急落し、その後通常の水準に戻ったという。

また、声明の中でIOTX/USDTなどのペアで見られる“ゼロ価格”は、価格変動の小数点以下の桁数に関する最近の変更によって発生した表示上の問題であると説明している。

今後の対応策

バイナンスは、今後同様の問題が発生するのを防ぐため、ユーザーインターフェースの修正とシステムの改善を進めている。

今回のインシデント発生時にAPIは影響を受けなかったことを同社は確認しており、透明性と継続的なシステム改善への取り組みを強調。

今回発生した金曜日の市場急落は、仮想通貨史上最大の清算イベントと目されており、トランプ大統領による中国製ハイテク製品への100%関税の脅威に端を発し、24時間以内に190億ドル以上のレバレッジポジションが消失。全世界で160万人以上のトレーダーに影響を与えたと言われている。

 

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