XRPLが10月5日に大規模アップグレード実施へ
XRPL (XRP Ledger)において、ネットワークの利便性と安全性を大きく高める新たな大型アップグレード「PermissionDelegationV1_1」の有効化に向けたカウントダウンが進行している。
80%以上のバリデータ支持が維持されれば、10月5日にも正式に稼働する見込みだ。XRPLの主要な修正案である「PermissionDelegationV1_1」は、ネットワークの信頼されたバリデータ(検証者)による支持率が閾値に達したことで、14日間の有効化期間に入った。
現在の支持状況:
信頼された35のバリデータのうち29が賛同を示しており、有効化の条件である80%以上の支持(28バリデータ以上)をクリアしている。
稼働のタイムライン:
このまま支持率が維持されれば、10月5日頃に自動的にメインネット上で有効化される。
条件付きのスケジュール:
カウントダウン期間中に万が一支持率が基準を下回った場合、タイマーはリセットされる。そのため、最終的な実装にはコミュニティ全体の継続的な承認が不可欠となる。
パーミッション委任機能でアカウント制御はどう変わるのか
今回導入される「PermissionDelegationV1_1」は、XRPLアカウントの運用管理をより安全かつ柔軟にするための機能。
従来の課題と改善点
これまでは、外部システムや従業員にウォレットの運用を任せる際、アカウントの完全な制御権(秘密鍵)を共有するか、あるいは不十分な機能制限の中で運用せざるを得なかった。しかし、この機能導入により、メインの秘密鍵を安全に保護したまま、特定の操作権限だけを別のアカウントに細かく委任できるようになる。
具体的なユースケース
企業・組織の運用:
メインアカウントの秘密鍵を変更する権利は与えず、日常的な支払い実行の権限のみを運用アカウントに付与することが可能。
ステーブルコイン発行者:
顧客の本人確認(KYC)やコンプライアンス業務を行うオンラインシステムと、機密性の高いマスターキーの管理を完全に切り離して運用できる。
権限の制限:
委任先のアカウントには最大10個までの限定的な権限を付与でき、後からいつでも内容の変更や取り消しができる。
過去のバグを克服した改訂版とセキュリティの担保
この権限委任機能の実装は、実は今回が2度目の挑戦となる。
当初の提案では、署名検証の前に権限チェックが行われていたため、失敗した取引であっても手数料が徴収されてしまう欠陥があった。これが悪用されると、攻撃者がスパム攻撃によって標的アカウントのXRPを枯渇させることが懸念されたため、コミュニティのテスターによる指摘を受けて前回の実装は見送られた。
今回の改訂版(V1_1)および最新ソフトウェア「xrpld 3.3.0」では、手数料が徴収される前に必ず署名が検証される仕組みへと改善されており、セキュリティ面と安全性がしっかりと担保されている。
機関投資家向けユースケースの拡大とその他のアップデート
権限委任機能の追加は、XRPLが機関投資家向けの金融インフラストラクチャーへと進化していく上で重要なマイルストーンだ。RWA(現実資産)のトークン化やオンチェーンレンディングなど、高度なアカウント制御を求める金融機関や企業のニーズに直接応えるものとなっている。
また、XRPLエコシステムでは、単一資産の保管庫を導入する「XLS-65」や、それを用いた固定期間ローンを可能にする「XLS-66」といった関連プロトコル案も議論されており、パブリック・ブロックチェーンを活用した次世代の金融ツールの整備が着々と進められている。
10月5日のアップグレードが無事に完了すれば、XRPLの企業利用における安全性と利便性は一段と向上することになります。今後のバリデータの動向から目が離せない。























