CFTC、Kalshiのイーサリアム無期限証券における50億ドル規模の異常取引を調査

CFTCがKalshiの異常取引を調査

CFTC(米国商品先物取引委員会)は、予測市場プラットフォームKalshi(カルシ)におけるイーサリアム(Ethereum/ETH)の無期限先物取引について、本格的な調査に向けた精査を開始した。

WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の報道によると、問題視されているのは、規模が類似した約100万件にのぼる取引であり、過去1カ月間で総額50億ドル(約7,894億円)を超える取引高を記録。問題となっている取引は、特定の市場において異常な集中を見せており、直近の取引の3分の1以上が5,500ドル(約868,000円)付近の注文サイズに偏っている。市場関係者の間で、この膨大な取引高が実質的な経済活動を正確に反映しているのかどうか疑問視する声があがっている。

一部のトレーダーやオブザーバーからは、実体を伴わない架空の売買によって市場を意図的に活況に見せるウォッシュ・トレード(仮装売買)の疑いが指摘されている。現時点でCFTCは正式な法執行調査に踏み切るかどうかの判断を下しておらず、公式なコメントや不正認定に関する発表は控えている状況だ。

Kalshi側の釈明とマーケットメーカーの関与

こうした疑惑に対し、Kalshi側は不正行為を全面的に否定し、取引額が重複した背景について独自のシステム的要因を説明している。

多数の参加者:
取引には数百もの異なるトレーダーが参加している。
高速取引の影響:
処理速度に優れるトレーダーが、マーケットメーカーの提示する固定サイズの指値注文を繰り返し約定させた結果、同一金額の取引が多発した。
セーフガードの存在:
自社プラットフォームには自己取引(セルフマッチング)を防ぐシステム的ブロック機能が備わっており、組織的なウォッシュ・トレードは厳しく禁止・監視されている。

なお、WSJの報道では、こうした高速取引に関与した主要企業として「Jump Trading」や「Wintermute」の名前が挙げられている。このうちJump Tradingは、自社の利益を目的として独自に取引を行っている点や、自己売買防止ツールを適切に稼働させている点を強調し、他者との共謀や不正を否定している。

規制当局との複雑な法的背景と今後の展開

今回の調査は、Kalshiが暗号資産を対象とした無期限先物事業を急速に拡大させている最中に浮上した。同社は2026年5月に暗号資産の無期限先物を取り入れ、今後は米国個別株に連動する契約へとサービスの裾野を広げようとしている。

一方で、同社をめぐる規制当局や自治体との摩擦は絶えない。直近では、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官が同州内での事業停止を求めて提訴したほか、ボルチモア市がスポーツ賭博に関する訴訟を起こすなど法廷闘争が相次いでいる。8月にはCFTCが緊急権限を行使し、連邦ルールに基づく運営継続を命じたものの、今回のイーサリアム市場における新たな精査が今後の事業展開にどのような影を落とすのか、引き続き高い関心が集まっている。

 

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