USDT供給量が40億ドル急減、流動性懸念と投資家の市場エクスポージャー削減が背景に

USDT供給量が短期間で40億ドル減少、市場の買い圧力減退を示唆

暗号資産市場の基幹インフラであるステイブルコインUSDTの供給量が急速に縮小していることが明らかになった。

日本語訳:
USDTの供給はどうなっているんだ?
cryptoquant_comによると、過去60日間の供給変動は約-40億ドルで、過去11日間だけで8億7,000万ドルが減少するとのことだ。一部は直接的な撤退のようだ。ビットコインが2025年のピークから下…

データ分析プラットフォームCryptoQuant(クリプトクワント)の集計によると、過去60日間でUSDTの供給量は約40億ドル(約6,377億円)減少。リサーチャーのステイシー・ムーア(Stacy Muur)氏の指摘では、わずか11日間で約8億7,000万ドル(約1,387億円)規模のUSDTが市場から消滅し、全体の時価総額は約1,830億ドル(約29兆円)まで目減りした。

ステイブルコインは投資家が市場に即座に資金を投入するための主要手段であるため、この減少はトレーダーが暗号資産への直接的なエクスポージャーを抑え、ポジションを控えている状況を色濃く映し出している。主要銘柄であるビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格が最高値から押し戻されている局面にあり、取引準備金としてのステイブルコイン需要そのものが鈍化していることが要因として挙げられる。

競合「USDC」も減少し流動性低下へ、利回り運用への資本移動が急増

今回の供給減少は、単なる他社発行コインへの移行にとどまらない。競合であるUSDCの供給量も同様に減少傾向を示しており、ユーザーがテザー(Tether/USDT)からUSDコイン(USDCoin/USDC)へ資産を単純に乗り換えたわけではないことが判明している。両大型銘柄の残高が同時に減少している事実は、市場全体で即時投入できる買い手資金(流動性)が確実に薄れている危険性を示唆している。

ただし、この資金が暗号資産生態系から完全に離脱したとは断定できず、要因の一つとして「運用利回り」の存在が指摘されている。投資家は単に取引所で待機資金としてコインを保持するのではなく、Aave(アーベ)やMorpho(モルフォ)などのDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルへ資本を振り向け、金利収入を獲得する運用へシフトしている可能性がある。

暗号資産ネットワークごとの偏り、Tronなど一部チェーンへ資本が再配分

全体の市場規模が縮小する一方で、特定のブロックチェーン上での資金流入は続いている。

日本語訳:
ステーブルコインの年初来成長率でTronがトップに ステーブルコインの時価総額はTronで108億ドル増加し、HyperEVM(+52億ドル)、X Layer(+17億ドル)がそれに続く

現在もUSDTの発行体全体の約97%はトロン(Tron)とイーサリアム(Ethereum)に集中しているが、Token Terminalのデータによると、Tronネットワーク上のステイブルコイン時価総額は108億ドル(約1.7兆円)増加した。また、HyperEVM(約52億ドル:8,290億円増)やX Layer(約17億ドル:2,710億円増)といった新興・特定領域のチェーンでも大幅な増勢が確認されている。

このように、USDTの急減は市場全体の流動性不足という警戒シグナルを発している一方で、決済・送金需要の強いトロンへの集約や利回り商品への再配置など、暗号資産領域内での「資本の再分配」が進んでいる実態も浮き彫りになっている。

 

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