ハワイ州で10月1日から暗号資産(仮想通貨)ATMでの現金預け入れを禁止する新法が施行

ハワイ州でATMでの現金預け入れを禁止する新法施行へ

ハワイ州では、暗号資産ATM・キオスク端末を悪用した詐欺被害の急増を受け、消費者保護を目的とした新法「法案224号(Act 224)」が2026年10月1日より施行されることがわかった。

これにより、州内で端末に現金を投入して暗号資産を購入する取引が全面的に禁止される。ただし、一部報道で見られるような端末の“全面撤去”ではなく、現金を暗号資産に換える“入金機能のみ”を対象とした規制となっている。

規制の背景とハワイ州における深刻な詐欺被害

ハワイ州議会が法改正に踏み切った背景には、高齢者をはじめとする住民を狙った暗号資産キオスク関連の詐欺被害の深刻化が背景にある。

FBI(米国連邦捜査局)のIC3(インターネット犯罪苦情センター)のデータによると、2025年にハワイ州内で報告されたキオスク関連詐欺の被害額は約385万ドル(約6億円)に上り、前年比で約4倍に急増。被害の多くは50歳以上のクプナ(Kūpuna:ハワイ語で年長者や高齢者・祖父母)に集中している。

犯人は政府機関や銀行員になりすまし、「口座が不正利用された」などと不安を煽って被害者を電話で誘導。銀行で現金を引き出させたうえでキオスク端末へ入金させ、そのまま資金をだまし取る手口が横行していた。

暗号資産キオスクは匿名性が高く、一度送金されると追跡や資金回収が極めて困難であるため、犯罪者の資金洗浄ルートとして悪用されていたのが実態だ。

新法「Act 224」の主な内容と対象範囲

ジョシュ・グリーン(Josh Green)ハワイ州知事が署名した新法は、米ドル紙幣を受け入れてデジタル資産を提供するキオスク端末の所有・管理・運営を禁止するものである。

禁止対象: 端末への現金(米ドル)投入による暗号資産の購入・入金取引。
利用可能な機能: 保有する暗号資産を売却して米ドルを受け取る「現金引き出し」や、デジタル資産同士の交換。
適用対象外: 州法で認められたオンラインプラットフォームでの売買、加盟店特典、ゲーム内資産など。

10月1日の施行以降、禁止された入金取引を行った場合は、店舗の継続運営を一括処理するのではなく「1取引ごとに独立した違反行為」として厳罰に処される。現在、主要4島で稼働している約57台の端末事業者は、期日までに該当機能を停止する必要がある。

全米に広がる暗号資産ATM規制の動向

ハワイ州は「現金入金を受け付けるキオスク」を規制する初の州となるが、全米レベルでもキオスク規制の波が広がっている。

全面的・厳格な禁止を導入した州: インディアナ州(3月施行)、テネシー州(7月施行)、ミネソタ州(8月施行)。端末の撤去や全面停止を求める州が増加。
利用制限・管理を強める州: ジョージア州など。取引限度額の設定、警告画面の表示、詐欺被害発生時の返金義務化などを条件に稼働を容認。

連邦レベル(FinCEN)の登録義務に加え、各州が独自に厳しいルールを課す動きが強まっており、当局は住民に対し「政府機関が暗号資産の入金を求めることは絶対にない」として注意を呼びかけている。

 

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