バイナンスとパキスタンIT省がパキスタンの学生にブロックチェーン教育を提供へ
大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)の教育部門「バイナンス・アカデミー」は、パキスタンのMOITT(情報技術・電気通信省)と戦略的提携を結び、全国規模のブロックチェーン教育プログラムを開始した。
2026年までの実施を予定しており、国内の学生8万人を対象にブロックチェーン技術の専門知識を提供する。このプログラムは、全国の大学を対象にブロックチェーン教育を導入するもので、専門カリキュラムを通じて学生に実践的な技術知識を提供することを目的としている。
2025年5月29日、Binance AcademyはXで本プロジェクトの概要を発表。Binance PakistanおよびMOITTと連携し、全国規模のブロックチェーン教育を推進する姿勢を示している。
Together with @BinancePk, we’ve partnered with @MoitOfficial to advance blockchain education nationwide 🇵🇰
We’re set to train 300 educators and empower 80,000 students across 20 universities by 2026 – a major step forward for Pakistan’s digital future. pic.twitter.com/aTchDpwMVn
— Binance Academy (@BinanceAcademy) May 29, 2025
投稿では、2026年までに全国20大学への導入と、300人の教育者育成、8万人の学生への教育提供という具体的な目標が掲げられた。
この取り組みは、バイナンス・アカデミーが展開する世界最大級のWeb3教育キャンペーン「GUOP(グローバル大学アウトリーチプログラム)」の一環でもある。2022年にパキスタンで導入されたGUOPは、すでに13の大学と3つの州で3,000人の学生に教育を提供してきた実績がある。
IT・電気通信大臣のシャザ・ファティマ・カワジャ(Shaza Fatima Khawaja)氏は、今回のプログラムを「パキスタンのデジタル政策における重要なマイルストーン」と表現。シェバズ・シャリフ(Shehbaz Sharif)首相の掲げる国家ビジョンにも合致したものであり、同国がブロックチェーン分野における成長拠点としての地位を高めると述べた。
国家戦略と地域金融への具体的アプローチ
今回の提携は、MOITTの政策ビジョンとBinance Academyのグローバル教育戦略が合致したもので、政府と民間の共同による長期的なスキル育成の枠組みとして注目されている。
また、バイナンスのMEASA(中東・南アジア・アフリカ)地域における成長・運営責任者であるバダー・アル・カルーティ(Bader Al Kalooti)氏は「このパートナーシップは、イノベーションを推進し、世界のデジタル経済に貢献できる人材を育成するための大きな一歩だ」と述べている。
デジタル通貨と日常金融をつなぐ機能も
教育支援に加えて、バイナンスはパキスタン国内のユーザー向けにテザー(Tether/USDT)とPKR(パキスタン・ルピー)のシームレスな交換機能も導入した。
バイナンスアプリを通じてUSDTを売却し、現地の銀行口座やモバイルウォレットに出金できる仕組みが整えられたことで、デジタル資産と実生活の金融アクセスの橋渡しが進んでいる。政府と民間が一体となり、若年層に対する実践的なスキル教育と金融サービスの整備を進める今回の取り組みは、今後他国でもモデルケースとして注目される可能性がある。