制度整備と市場発展へ向け大手金融機関と連携
HKMA(香港金融管理局)は2026年6月5日(金曜日)、香港におけるトークン化債券の普及と規模拡大を促進するため、専門家グループを設立したと発表した。
JPモルガン証券やHSBCなどの大手金融機関に加え、法律、金融インフラ、テクノロジー分野の専門家も参加し、トークン化債券市場の発展に向けた制度整備を進める。
JPモルガンやHSBCなど21組織が参画
専門家グループにはJPモルガン証券、HSBC、スタンダードチャータード銀行、UBS、アント・デジタル・テクノロジーズ、ハッシュキーグループなどが参加する。参画組織は計21に上り、金融機関だけでなく、業界団体、法律顧問、金融インフラ事業者、技術プロバイダーなど幅広い分野から構成されている。
専門家グループは、HKMAがこれまで進めてきたトークン化債券関連の取り組みを基盤に、政策措置、市場慣行、イノベーションについて検討する。HKMAは、トークン化債券のさらなる普及と拡張性向上を目指すとしている。
HKMAは5月に初会合を開催し、香港の現行の法規制制度と、それをトークン化債券の発行・取引にどのように適用するかについて意見交換を行った。この議論は、金融サービス局および財務局と進める法規制制度の見直しや、債券市場におけるトークン化技術の普及に向けた改善策の検討に活用される。
過去の発行実績を基盤に市場拡大を目指す
HKMAは2021年からBIS(国際決済銀行)イノベーションハブ香港センターと共同で、債券トークン化の研究を進めてきた。その後、香港政府向けに複数のトークン化債券発行を支援し、研究から実際の発行へと取り組みを進めてきた。
2023年には8億香港ドル(約163.5億円)相当のトークン化グリーンボンドを発行し、2024年には香港ドル、中国人民元、米ドル、ユーロ建ての60億香港ドル(約1,226.5億円)相当のマルチカレンシー・デジタルグリーンボンドを発行した。2025年には、発行当時として最大規模となるデジタル債券の発行も実施している。
また、2025年の発行ではe-CNY(デジタル人民元)とe-HKD(デジタル香港ドル)を統合した初のデジタル債券発行も行われた。HKMAはデジタル債券助成制度や知識リポジトリ「EvergreenHub」も活用しながら、発行促進と市場参加者の能力構築を進めている。
ハッシュキーグループのシャオ・フェン(Xiao Feng) CEOは、トークン化債券の商業的な普及には技術導入だけでなく、法規制、インフラ、業界全体の連携を含む体系的な取り組みが必要だとの見方を示した。香港は専門家グループを通じて、政策、市場慣行、イノベーションの各面からトークン化債券市場の拡大を進める構えだ。
























