詐欺疑惑が続くZKasinoに新たな注目
イーサリアム(Ethereum/ETH)のロングポジションが清算され、ZKasinoに関連する詐欺疑惑のウォレットが約2,700万ドル(約40億円)もの損失を出した。
このウォレットは、ZKasinoからの資金を受け取っていたとされ、不正行為の一環としてオンチェーン上で注視されていた。
ZKasinoの概要とトラブルについて
ZKasinoはゼロ知識証明(ZK)を活用した分散型ギャンブルプラットフォームとして登場したが、2024年4月に投資家から集めた約3,300万ドル(約48億円)分のETHがLidoにステーキングされたことが発覚し、大きな疑念を呼んだ。プロジェクトは当初「ETHはZKASトークンへ変換される」と説明していたが、実際には開発者の管理するウォレットからステーキングに回された。
この一連の動きは「出口詐欺(ラグプル)」と指摘され、信頼を大きく損ねた。さらに一部資金が「zKasino: Deployer」アドレスを経由して中央集権型取引所(CEX)へ送金されたことも確認されており、捜査機関や分析チームが資金追跡を続けている。現在、ZKasinoは仮想通貨業界内で「詐欺プロジェクト」と広く見なされている。
清算されたポジションと損失の内訳
ZKasinoに関連するとされるウォレットは、ZKasinoから流用されたETHをArbitrumネットワークを通じて移動。その後、HyperliquidでETHを担保に20倍のレバレッジをかけたロングポジションを展開していた。
しかし、2025年4月7日のETH急落によりこのポジションは強制清算され、約2,710万ドル相当(約7,000 ETH)の損失を被った。清算後、ウォレットの残高はほぼゼロとなり、オンチェーン上での資金移動も停止している。現在も関連アドレスは監視対象となっており、捜査機関やブロックチェーン分析チームによる追跡が続いている。
この損失をめぐっては、資金を意図的に消失させた可能性や、さらなる隠蔽工作の一環ではないかという憶測も飛び交っている。ZKasinoに対する信頼は大きく揺らいだままで、プロジェクト全体の透明性と正当性に対する疑念は今後さらに強まりそうだ。