グレイスケール、米SECへ非公開IPOを申請

米証券取引委員会の本社ビルとグレイスケールのロゴを重ねたイメージ、非公開IPO申請に関連

仮想通貨運用大手が株式市場進出へ

仮想通貨に特化した資産運用会社グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments、※以下グレイスケールと記載)は、米国での株式上場に向け、SEC(米証券取引委員会)にフォームS-1を用いた非公開申請をした。

同社は発行株式数や価格帯を未定としており、IPO(Initial Public Offering:新規公開仮想通貨)の実施は審査完了後、市場環境などを踏まえて判断される見通しである。

非公開申請の背景と強気市場

グレイスケールはビットコインやその他の仮想通貨に直接投資することなく、投資家に価格変動へのエクスポージャーを提供する複数の投資商品を展開している。

公式サイトによると、同社は35以上の商品を運用し、総資産額は330億ドル(約4.8兆円)を超えている。申請発表時点で、ビットコイン(Bitcoin/BTC)価格は一時1BTC1,800万円近くまで上昇したものの、15日20時の現執筆時点での価格は約1,720万円前後(※CoinMarketCap調べ)で推移し、依然として高水準を維持している。

また、米議会ではデジタル資産に関する3つの法案が審議される予定で、業界全体で規制の明確化が進む可能性がある。

上場の流れと今後の展望

今回の動きはCircle(サークル)の成功に続くもので、同社は2025年6月にニューヨーク証券取引所に上場し、株価はIPO価格の31ドル(約4,580円)から6倍以上に上昇した。

ジェミニ(Gemini)やピーター・ティール(Peter Thiel)氏が支援する規制された仮想通貨取引プラットフォームBullish(ブリッシュ)も上場申請しており、仮想通貨企業の株式市場進出は加速している。

上場の狙いと期待効果

公開企業化によって、グレイスケールは資金調達手段の多様化や財務の透明性向上を図り、機関投資家を含む幅広い投資家層を取り込むことが可能となる。これは同社にとって、業界におけるリーダーシップをさらに強固にする重要な一歩である。

注目される今後の展開

非公開申請後はSECの審査を経て、上場の時期や条件が決定される。市場の好調や規制環境の整備が進めば、年内にもIPOが実現する可能性がある。今後は競合他社の動向やビットコイン価格の推移に加え、規制面での進展が注目される。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム